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豆知識ブログ

2020年07月27日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞の痺れに対するリハビリ

脳からくる痺れ

こんにちは。理学療法士の小向です。

脳卒中後の後遺症として、しびれに悩まれている方も多いのではないでしょうか?

当記事は、しびれに対するリハビリの研究をもとに作成し、しびれに対する治療方法をまとめております。

ぜひ、しびれに悩まれいている方は最後までご覧いただければと思います。

 

脳梗塞としびれについて

脳梗塞になると手足が動かないといった運動麻痺のほかに、手足がしびれる、痛みが出る、手足の感覚が鈍いなどの症状が現われることがあります。これらを総じて感覚障害とよびます。 

脳梗塞後に手足の痛みを訴えた人を調べた研究では、脳の視床や延髄といった部位が障害されると、痛みが生じやすいことがわかっています[1]。

視床は脳の中でも、様々な感覚の中継地点であり、そこが障害されると感覚障害や痛みが現れやすくなります。

 

しびれに対する治療方法について

しびれに対する治療方法、しびれに対し薬で治療を行う方法と、手足の麻痺を改善させる方法をとることでしびれの改善を目指す方法とがあります。具体的には以下のものが挙げられます。

  • 薬物療法
  • 電気刺激療法
  • 経頭蓋直流電気刺激(tDCS: transcranial direct current stimulation)
  • CI療法

脳卒中ガイドライン2015(追補2017)[2]では、中枢性疼痛に対して、プレガバリンという薬を使用することを勧めています。

痛みには脳や脊髄の障害が原因で起こる「中枢性疼痛」と、末梢神経の障害が原因で起こる「末梢神経障害」があります。プレガバリンは、特に中枢性の痛みに対して有効であるとされています。

電気刺激療法は、手足に弱い電気を流すことで、電気の力で筋肉を動かす方法です。このリハビリを行うことで、手の動きが改善したり、歩行速度が向上するなども報告されています。

経頭蓋直流電気刺激は、頭部から磁気を流して、脳の活動を向上させる方法です。麻痺をした手足が動きやすくなったなどの報告があります。

CI療法は、麻痺をした手を生活の中で積極的に使う様にする方法です。適応は、ある程度手を動かすことが出来る方で、このリハビリを行うことで、手の動きの質や日常での手の使用頻度が向上することが言われています[3]。

しびれを起こす病気は、脊椎や脊髄の病気、末梢神経障害などでも引き起こされることがあります。違う病気が隠れていることもありますので、一度医師に相談してみることをお勧めします。

 また、急にしびれが強くなった場合は、脳梗塞、脳出血の再発の可能性も考えられます。その場合もすぐに医療機関を受診されることをおすすめします。

 

引用

  1. S Choi-Kwon, et al. Musculoskeletal and central pain at 1 year post-stroke: associated factors and impact on quality of life. Acta Neurol Scand. 2017;135(4):419-425.
  2. 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会編集、脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017対応]、株式会社協和企画、2017年
  3. Wu CY, et al: A randomized controlled trial of modified constraint-induced movement therapy for elderly stroke survivors: changes in motor impairment, daily functioning, and quality of life. Arch Phys Med Rehabil. 2007 Mar;88(3):273-8.

 

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2020年07月13日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞で全く足に力が入らない人のリハビリ方法

リハビリしている女性

こんにちは。理学療法士の河野です。

「脳梗塞の麻痺で足に力が入らない場合はどんなリハビリが適しているのか?」

重度の脳梗塞による麻痺では、ほとんど力が入らず体重を支えることができないケースがあります。

しかし、体重を支えられず立てないからと言って、ベッドの上でずっと過ごしていては体の機能はどんどん弱っていってしまいます。

では、麻痺によって体重を支えられない場合はどのようなリハビリが適応になるのか?

当記事ではこちらの疑問に対する解説をしております。

最後までご覧いただけますと、重度の足の麻痺に対する科学的根拠に基づいたリハビリ方法がご理解いただけると思います。

【関連記事】重度の手の麻痺に対する科学的根拠に基づいたリハビリ方法

 

脳梗塞で全く足に力が入らない人のリハビリ方法

脳梗塞の症状によっては、重度の麻痺により足に全く力が入らなくなる場合があります。

しかし、どうにかして足に力を入れるような訓練を行っていかなければ、筋肉はどんどん細くなり筋力低下、廃用症候群に繋がってしまいます。最終的には、寝たきりの生活になってしまう可能性もあります。

そこでそれらの防止や目標である歩行の再獲得を目的に行われるのが、早期からの立つ練習や歩く練習です。

足に全く力が入らないのに、立つ練習や歩く練習が本当にできるの?と思われた方も多いでしょう。

ご自身の意思では足に力が入らなくても、立つ練習や歩く練習は行えます。実際に行っている方も大勢いらっしゃいます。

 

脳卒中治療ガイドライン2015[1]には以下のことが記載されています。

「不動・廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる。その内容には、早期座位・立位、装具を用いた早期歩行訓練、摂食・嚥下訓練、セルフケア訓練などが含まれる」

簡単にまとめると、「発症後なるべく早い時期から、リハビリテーションを行うことが良い。練習内容としては、装具を用いた歩行練習が含まれる」といった内容です。

 

立つ練習や歩く練習を行う上で、まずしっかりと両足に体重を乗せて支えることが必要となってきますが、重度の麻痺の方ですと、足に力が入らず膝がガクッと曲がってしまう方が多いです。そこで、膝を伸ばした状態でしっかり体重を支えるために使用されるのが、「長下肢装具」という装具です。

長下肢装具を使用して、立つ練習や歩く練習をセラピストの介助のもと行っていきます。

 

図1.長下肢装具

長下肢装具

 

長下肢装具の役割

長下肢装具とは、上の写真にもあるように、太ももから足底までを覆っており、膝関節・足関節の動きをコントロールする装具です。

膝関節の部分に継手があり、角度調整ができるため、膝を伸ばした状態で固定をすることができます。

重度の麻痺があり、ご自身の意思で足に力を入れることが難しい、または少し力を入れることができても、立つと足の力で支えきれずに膝がガクッと曲がってしまう方が主に使用します。

長下肢装具は、立つことが難しい方でも、しっかりと膝を伸ばした状態で立つことを可能にするという役割があります。

 

脳梗塞に対する長下肢装具を使ったリハビリの効果

「長下肢装具を使って、立つ練習や歩く練習を行うことが良い」とお伝えしました。実際にガイドラインでもそれらの練習を行うことが推奨されています。

では、長下肢装具を使って立つ練習や歩く練習を行うことでどのような効果が期待できるのでしょう。

そもそも、筋肉を動かさないとどんどん筋肉が落ちてきてしまい、筋肉がやせ細ってしまいます。

座った状態で膝伸ばし運動などの1つの関節を動かして筋肉を鍛える練習は、麻痺によって関節を動かすことが難しいので、その運動を行うこと自体が困難です。

重度の麻痺の方は、1つの関節を動かして筋肉を鍛えることは難しくても、長下肢装具を使って、立つ練習や歩く練習など、抗重力での環境で体重を支えることで、足の筋肉が反射的に働くことがしばしばあります。

実際に、足に全く力が入らない方に対して、長下肢装具を使用して歩行練習を行うと、筋がしっかり働いていることを筋電図を使って確認できた、という報告があります[2]。

この報告からも、抗重力の環境で両足に体重を乗せることの重要性が理解いただけるかと思います。

つまり、ご自身の意思では足に力を入れることが困難な方も、長下肢装具を使用し、立つ練習や歩く練習を行うことで、足の筋肉をしっかり働かせ、筋力低下や廃用症候群の予防だけではなく、目標である歩くことの再獲得を目指す効果があります。

【関連記事】電気刺激を用いた歩行に対するリハビリの効果

 

長下肢装具を外すタイミング

長下肢装具を使って練習をしていると、退院後も長下肢装具をずっとつけて生活しなければいけないの?と不安に思うかもしれません。

そういうわけではありません。

膝を伸ばした状態で固定しなくても、膝がガクッと折れずに体重を支えられるようになれば、長下肢装具から膝下の短下肢装具に切り替えて、リハビリを行っていきます。また、退院後も短下肢装具を使用して生活していく方が多いです。

長下肢装具は、普段の日常でも使う装具という位置づけではなく、身体の状態を良くするための練習で使う装具という位置づけです。

しかし、なかなかご自身の足の力でしっかりと立つことができず、膝の固定を外すと膝がガクッと折れてしまい支えられない方は、長い期間長下肢装具を履いてリハビリをする必要があります。

長下肢装具から短下肢装具に切り替えるタイミングは、患者様の身体の状態をみて医師、義肢装具士、理学療法士が判断します。

 

まとめ

重度の麻痺により、ご自身の意思で足に力を入れることが難しい方に対して、どのようなリハビリを行っていくか、長下肢装具を使用する目的、期待できる効果についてご説明しました。

重度の麻痺の方全員が長下肢装具を使用して練習を行っていくわけではなく、患者様の目標に向けてどのように訓練を進めていくかは、主治医、担当セラピストの方針によります。

練習の内容で疑問に思ったことや分からないことは、どんどん主治医、担当セラピストに質問、相談してくださいね。

ジョイリハNEXTでもリハビリに対する質問を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!

 

執筆者:ジョイリハNEXT 理学療法士 河野 沙季

 

□引用文献

[1]日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 編集:脳卒中治療ガイドライン2015 [追補2017対応].協和企画,2017.

[2]阿部浩明,大畑光司 編集:脳卒中片麻痺者に対する歩行リハビリテーション.メジカルビュー,2017.

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2020年07月04日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞で麻痺した足で体重を支持できるようになるリハビリ方法

片足で支えてバランスをとる男性

こんにちは。理学療法士の小向です。

「脳梗塞で麻痺した足に全然力が入らない」
「麻痺した足で支えることがほとんどできない」
「脳梗塞の後遺症がある足に体重をかけることが怖い」

脳梗塞を発症すると、麻痺している足で支えることが難しくなる方がとても多くいらっしゃいます。

当記事では、脳梗塞で麻痺した足で支えられるようになるためのリハビリを解説しています。

最後まで読んでいただけると、麻痺した足で支えるためのヒントになることをお伝えできると思いますでので、ぜひご覧ください。

【関連記事】歩き方の改善を目的としたリハビリ方法

 

脳梗塞で麻痺した足で支持できないと、転倒リスクが高まる?

脳卒中で足が麻痺すると、麻痺した足に体重をかけることが難しくなります。また、自分では左右対称に体重をかけているつもりでも、計測してみると、麻痺側に体重が乗っていないこともあります。

立ち上がりや歩行において、左右の足に対称に体重をかけることが重要になります。

左右対称に体重をかける練習について研究した論文から、その効果について紹介しましょう[1]。

この論文では、脳卒中患者さんを対象にし、以下の2つのグループに分け、それぞれ練習を行いました。

1)介入グループ
・立位で左右対称に体重をかける練習
・立ち上がり練習
・従来のリハビリ練習

2)通常リハビリグループ
・従来のリハビリ練習のみ

結果は、介入グループの方が、通常リハビリグループよりも、体重が左右対称にかけられるようになりました。さらに、リハビリ後6ヶ月時点において、介入グループの方が通常リハビリグループよりも転倒する割合が低い結果になりました。具体的には、通常リハビリグループが24人中10人(41.7%)が転倒したのに対し、介入グループは30人中5人(16.7%)でした。

脳梗塞で足が支えられなくなった人を対象にしたリハビリ研究

この研究だけで、断言はできませんが、左右対称に体重がかけられると、転倒のリスクを減らす可能性があるかもしれません。

転倒は、骨折など大きなけがにつながることもあります。

では具体的にどういう練習をすれば、麻痺側でも支持できるようになるか、紹介していきます。

 

脳梗塞で麻痺した足で支持できるようになるためには?

麻痺した足で支持し、体重をかける練習方法として、立ち上がりの練習があります。

単純に立ち上がり練習の繰り返しでも、ある程度麻痺側に体重がかかりますが、多くの患者さんは、無意識のうちに支持しやすい麻痺していない足に多く体重をのせて、立ち上がっています。この状態では、ただ繰り返し立ち上がり練習していても、麻痺側に体重がのるようにはなりません。

ポイントは「麻痺した足を引いた状態で立ち上がり練習をする」ことです。

 

足を引いた立ち上がり練習の効果

実際に足を引いた立ち上がり練習の効果を調べた研究を紹介します[2]。

この研究は、脳卒中患者さん50名を以下のグループに分け、それぞれ練習を行いました。

1)足を引いた立ち上がり練習グループ
麻痺した足を反対の足より後ろに位置して立ち上がるトレーニングを実施

2)足を左右対称に位置した立ち上がり練習グループ
両足を左右対称に位置して立ち上がるトレーニングを実施

練習は1回30分で、週5回、4週間行いました。4週間後の時点で、立ち上がり中の足に左右対称にに体重がかかっているか(下肢荷重量)やバランス能力が改善するか調べました。

その結果、麻痺した足を反対の足よりも後ろに引いて立ち上がる方が、左右対称に位置するよりも、立ち上がり動作中に下肢荷重量の非対称性やバランス能力が改善することが示されました。

この研究からも、麻痺した足を少し引いた状態で立ち上がることで、麻痺した足にも体重がかけられるようになることがわかります。

 

 麻痺した足に体重をかける立ち上がり練習をやってみよう!

まず、椅子に座り、麻痺側の足を反対の足よりも少し後ろ(椅子側)に引いてみましょう。その状態で立ち上がりを行うと、麻痺側に体重がかかりやすくなります。ただ注意点もありますので練習を行う前に目を通していただければと思いまいます。

 

脳梗塞で麻痺した足で支えるリハビリ方法①

注意点☝️

  1. 足を手前に引けば引くほど、麻痺側の足に体重がかかりますが、その分バランスを崩しやすくなりますので、最初は10cmくらい引いた状態から始めてみましょう。
  2. 不安定な麻痺した足で支えることになりますので、転倒しないよう、手すりや安定した椅子などがある場所で行いましょう。
  3. 初めて行うときは、可能であれば理学療法士や作業療法士といったリハビリスタッフや介助者がいる場所で行いましょう。

 

このように、立ち上がり練習は、練習の方法を工夫することで、より効果を得られやすくなります。

他にも、椅子やベッドの高さを調整したり、手で支持するものの位置や場所を変えたりすることで、立ち上がり練習の難易度を調整することができます。

どのリハビリにおいてもそうですが、ただ闇雲に練習するのではなく、患者さんに合った適切な方法や難易度を設定することが重要です。

ぜひリハビリの専門家である理学療法士や作業療法士といったスタッフに、練習の方法を確認してみると良いでしょう。

【関連記事】歩行に着目したリハビリ方法

 

まとめ

脳梗塞で麻痺した足で支えられるようになるリハビリをお伝えさせていただきました。

はじめから足を引いた状態で立ち上がりが出来なくてもかまいません。立ち上がるときの意識として、いつもよりも少し足を引いて立ってみるといった具合から練習をはじめていただければと思います。

ジョイリハNEXTでは、リハビリの体験プログラムを設けています。

リハビリについて、ご相談がある方は、是非一度ご相談いただければと思います

 

文責:ジョイリハNEXT亀有 小向佳奈子

 

引用文献

1. P T Cheng, et al.: Symmetrical Body-Weight Distribution Training in Stroke Patients and Its Effect on Fall Prevention. Arch Phys Med Rehabil. 2001 Dec;82(12):1650-4.

2. Meng Liu, et al.: Effects of Modified Sit-To-Stand Training on Balance Control in Hemiplegic Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial. Clin Rehabil. 2016 Jul;30(7):627-36.

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2020年06月19日
脳梗塞のリハビリ

半身麻痺で寝たきりの家族に行いたいリハビリ

ベッドに寝転ぶ高齢女性

脳梗塞による後遺症により、起き上がることなどの動作が難しくなると、ベッドで寝ている時間が長くなることがしばしばあります。

ベッドで寝ている時間が長くなると、関節が固まってきたり、筋肉が落ちてきたりしてしまいます。すると、ベッドから起き上がることが大変になり、ベッドに寝ている時間が更に長くなる・・・といった負のサイクルに陥ってしまいます。

この負のサイクルを断ち切るためには、運動とベッドから離れる(起き上がる)ことが重要です。

今回は、ご自宅でご家族様と一緒にできる運動をお伝えします。

ベッドの上でできる安全な運動から、起き上がるための起き上がり運動までお伝えしますので、ご家族様に合った運動を選択してください。

介助するにあたって不安な動作がある場合は、担当セラピストにどのレベルの運動まで一緒に行って良いか確認しましょう。

 

ベッドの上でできる運動

ベッドから起き上がることが難しい方や、起き上がることができたとしても、運動前の準備運動として、まずはベッドの上で行える運動をすることをおすすめします。

今回は、腹筋・お尻の筋肉・足全体の筋肉を鍛える運動を紹介します。

▼腹筋
起き上がる動作に必要になってくる筋肉です。起き上がる動作を獲得するための準備運動です。

▼お尻
ベッドから起き上がることが難しい方は、オムツ交換の介助のときにお尻があがるようになると、介助がとても楽になります。起き上がることが可能な方は、姿勢をまっすぐ立ち上がる際に必要となってくる筋肉です。

▼足全体
ベッドから車椅子への移動や、立ち上がる際に両足で踏ん張らなければなりません。そのために足全体の筋肉も鍛えておきましょう。

※筋肉を鍛える運動は、息を止めないことが大切です。息を止めて行ってしまうと血圧があがってしまいます。力を発揮している時は呼吸を吐き、力を発揮していない時に呼吸を吸う、というサイクルで行ってください。

 

腹筋

腹筋運動

両膝を曲げて、お臍を見るように頭をあげます。

手を伸ばして膝を触れる方は、手を伸ばしましょう。

余裕のある方は、右手で左の膝を、左手で右の膝を交互に触り、身体を捻じりながら行いましょう。

麻痺が重い方は、ご自身で膝を曲げた状態で留めておくことは難しいので、ご家族様は両膝が倒れないようにおさえてください。

 

お尻上げ

お尻上げ運動

よく“ブリッジ運動”と呼ばれています。

両膝をしっかり曲げて、お尻を最大限あげます。

こちらの運動も、麻痺が重い方は、ご自身で膝を曲げた状態で留めておくことは難しいので、ご家族様は両膝が倒れないようにおさえてください。

 

キック運動

キック運動1

キック運動2

膝を曲げた状態から力いっぱい膝を伸ばしてきてもらいます。まさにキックです。

ご家族様は足の裏と膝下を支えて、蹴ってくる力に対して抵抗します。

蹴る力が強く、力負けしてしまう場合は、無理に行わなくて結構なので、他の運動を多めに行ってください。

 

起き上がるための練習

ベッドから離れるためには、起き上がる練習が必要になります。

起き上がる動作を細かく分けて、「寝返りをうつ→両足をおろす→肘で支えて起き上がる→手のひらで支える」の順番でお伝えします。

まずは部分部分で練習していき、動作に慣れてきたら、寝返りをうつ~両足をおろすところまで、寝返りをうつ~肘で支えて起き上がるまで等、動作を繋げて練習していきましょう。

最終的にこの一連の動作が行えるようになれば、起き上がることが可能となります。

 

寝返りをうつ

寝返り

寝返り2

起き上がるときは、まず横向きに寝返りをうつことが第一段階となります。

寝返りをうつときは、ベッド柵や手すりなどを使っていただいても構いません。

腕の麻痺が重い場合、そのまま寝返ってしまうと、腕が置いてきぼりとなり、肩が痛くなる場合があります。必ず麻痺側の腕をお腹の上に乗せてから寝返りましょう。

また、足の麻痺が重い場合も、そのまま寝返ってしまうと、足が置いてきぼりとなり、寝返りができなくなるので、動く方の足で麻痺側の足をすくって寝返りましょう。

寝返るポイントして、身体を丸めるように、お臍を見ながら行うと寝返りやすいです。

 

足をおろす

足を下す

起き上がる第二段階として、寝返った後に両足をベッドからおろすことが必要です。

寝返るときに、動く方の足で麻痺側の足をすくっているので、そのまま動く方の足の力で、麻痺側の足と一緒にベッドからおろします。

この足をおろす動作に関しては、この動作単体で行うと強い足の力が必要となるので、大変です。寝返りからの勢いでそのまま行う方が行いやすいので、寝返り~足をおろす動作まで繋げて練習しましょう。

 

肘で支える

肘を支点に起き上がる

肘で支える2

起き上がる第三段階として、足をベッドから下した後は、上半身を起こして肘で支えることが必要です。

起き上がる動作で大変なところはこの動作で、手こずる方が多いです。

ベッド柵や手すりをもったままの方がやりやすい方は、使っていただいて構いません。

上半身を起こして肘で支えるまでの動作ですが、肘を支点として、肩を肘の真上まで移動させるイメージです。

この動作は、腹筋が必要となるので、腹筋の運動がここで活かされます。

この時のポイントも身体を丸めるようにして、お臍を見ながら行うことが大事です。身体を丸めず、天井を見ながら行ってしまうと、運動したい方向と逆方向に力が働いてしまうので、上手に出来ません。必ず、身体を丸めるようにして、お臍を見ながら行いましょう。

また、身体と肘までの距離も1つ大事なポイントです。身体と肘がくっついた状態で行うと、うまく力が発揮されないので、ある程度離した状態で行いましょう。

 

手のひらで支える

手のひらで支える

手のひらで押す

起き上がる最後の段階として、肘で身体を支えていたところから、更に身体を起こし、手のひらで支えるまでの段階です。

第三段階の肘で身体を支える時の支点は、肘とお伝えしました。次は、その支点を肘から手のひらに移動させます。肘で支えている体重を、そのまま前方へ移動させ、そこから肘を伸ばして手のひらで支えます。

この時のポイントは、身体を少し前に倒しながら、かつ目線はベッドを見ながら行うことが大事です。第三段階でお伝えしたように、天井を見ながら行ってしまうと、運動したい方向と逆方向に力が働いてしまうので、上手に出来ません。

 

まとめ

今回は、ご自宅でご家族様と行える運動についてお伝えしました。

1日に行う回数ですが、10回を1セットとして1日5セット以上行うことが理想です。しかし、疲れ具合はその方によって異なるので、朝・昼・晩2セットずつや、朝・晩3セットずつなど分けていただいても大丈夫です。

起き上がりの練習に関しては、部分練習から、慣れてきたら一連の流れでの練習で行ってください。難しい動作ではあるので、まずは寝返りから、等順番に行ってください。

他の内科疾患(心臓の病気等)をお持ちの方は、頑張りすぎると逆効果になってしまう場合があるので、担当の医者やセラピストに必ず確認してください。

もし相談できる相手がいらっしゃらない場合は、私たちも相談に乗れますので、お気軽にご連絡ください!

 

執筆者:ジョイリハNEXT 理学療法士 河野 沙季

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2020年05月29日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞の歩き方に着目したリハビリ方法

脳卒中の歩く姿

脳卒中の後、歩けるようにはなっても、なかなか歩き方が改善されない、左右対称に歩けずぎこちない、もう少しきれいに歩きたい、という方もいらっしゃると思います。

間違った歩き方を続けると、疲れやすくなったり、関節に痛みが出ることもあります。足に装具をつけている方は、装具が足にあたり痛みや皮膚に傷を作ってしまうこともあります。

今回は、「歩き方の改善」に必要なリハビリ方法についてご紹介します。

 

歩き方を改善するために必要なこと

歩き方を改善するために必要なことの1つとして、歩行の対称性の改善が挙げられます。

歩行の対称性とは、歩く時に左右の足が同じリズムで歩けているか、歩幅は同程度かなどが挙げられます。

脳卒中患者さんは、麻痺をしている足に体重がかけにくいため、歩行時に麻痺側に体重をかける時間が短くなり、左右の歩幅やリズムが異なってきます。

では、歩き方や対称性を改善するためには、具体的にどんなリハビリが必要でしょうか。過去の研究知見をもとに解説します。

 

歩き方を改善するリハビリ方法とは?

今回紹介するリハビリの方法は、機能的電気刺激療法(Functional Electrical Stimulation; FES)です。

FESは、筋肉または末梢神経を刺激して、麻痺した筋肉を収縮させ、機能を補う治療方法です。

特に今回は、中殿筋という筋肉に対し、FESを行う方法を紹介します。中殿筋はお尻の横側にある筋肉で、歩く時に体を安定させる重要な役割を持ちます。

脳卒中発症から6ヶ月経過した患者を対象とした研究では、中殿筋に電気を流しながら歩行練習を行うことで、歩幅や歩行の対称性が改善したとする論文があります[1-3]。さらに、この練習を行うと、歩行速度や歩行の耐久性も改善しました。

FESを行った群は歩幅が平均約20cm向上したのに対し、介入しなかった群は平均約2cm程度の変化しかみられませんでした[1]。

このように、電気刺激を行うことで、脳卒中発症から半年以上経過していても、歩行の対称性を改善させる可能性が報告されています。では、具体的にどのように練習をしていくのか、説明をしていきます。

 

具体的な方法とは?

歩き方を改善するためには、練習の量の確保が必要です。紹介した論文の具体的な介入期間としては、FESを行いながらの歩行練習を1回40分、週5回、計6週間行っていました[1]。

電気刺激療法は、電気刺激装置を用いて行います。動かしたい関節の動きに対応した、筋肉、神経へ電極を貼り刺激を行います。刺激の強さは、セラピストと相談しながら決めます。利用者さんが感じる刺激としては、ピリピリした程度で、強い痛みを伴うことはありません。

 

まとめ

今回は歩き方の改善に対する電気刺激療法について紹介しました。

自分は適応になるのか、具体的にどんな練習が必要かについては、医師や理学療法士、作業療法士といったリハビリ職に相談してみましょう。

ジョイリハNEXTでは、リハビリの体験プログラムを設けています。

リハビリについて、ご相談がある方は、是非一度ご相談いただければと思います。

 

文責:ジョイリハNEXT 理学療法士 小向佳奈子

 

引用文献

1)Yijung Chung, et al.: Therapeutic Effect of Functional Electrical Stimulation-Triggered Gait Training Corresponding Gait Cycle for Stroke. Gait Posture.. 2014;40(3):471-5.

2)Jung-Hyun Kim, et al.: Functional Electrical Stimulation Applied to Gluteus Medius and Tibialis Anterior Corresponding Gait Cycle for Stroke. Gait Posture . 2012;36(1):65-7.

3)Min-Kwon Cho, et al.: Treadmill Gait Training Combined With Functional Electrical Stimulation on Hip Abductor and Ankle Dorsiflexor Muscles for Chronic Hemiparesis. Gait Posture. 2015;42(1):73-8.

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