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豆知識ブログ

2020年05月28日
脳梗塞の後遺症

脳梗塞の後遺症は生活にどう影響するのか?|リハビリ専門職が解説します

脳梗塞の後遺症がある人の生活風景

こんにちは。理学療法士の河野です。

脳梗塞を発症すると、損傷の場所や程度によって、さまざまな後遺症が出現します。また、その後遺症の程度も、人によってさまざまです。

今回は、後遺症の症状別に、それぞれ日常の生活にどのような影響がでてくるか確認してみましょう。

また、それぞれの対策についても記載するので、参考にしてみてください。

 

後遺症の症状から、生活にどう影響するか確認しよう

脳梗塞の後遺症は、人によってさまざまです。

手足が動かしにくくなる方もいれば、手足は発症前と変わらないけれど、話しにくくなる方もいらっしゃいます。

脳には部位ごとに役割があります。例えば手足を動かす役割を担っている脳の部位が損傷されてしまうと、手足が動かしにくくなる症状が現れてしまいます。

後遺症の種類に関しては、過去のブログで詳しくご紹介しているので、そちらを確認してみてください。

今回は、後遺症の症状から、日常の生活にどのような影響がでるかそれぞれ確認しましょう。

【関連記事】脳梗塞の後遺症まとめ

 

上半身の運動麻痺による影響

上半身の運動麻痺でも、腕があがりにくい方、腕はあがるけれど指が動かしにくい方、色々な症状があると思います。

上半身の運動麻痺では、主には食事動作、着替え動作、手を伸ばす動作に影響が出ることが多いです。

▼食事動作

利き手の指の運動麻痺が後遺症として残った場合、お箸が持ちにくくなることがあります。

お箸を持ちやすくする補助具もありますが、そちらでも難しい場合は、フォークやスプーン等を使用する場合が多いです。

また、フォークやスプーンの柄の太いものを使用することで、更に握りやすくなります。

手の指が動かすことができず、握れない方は、利き手交換と言って、左手でお食事をする方が多いです。ただし、右手でフォークやお箸を持つリハビリを行い、最終的に右手でお食事をする方もいらっしゃいます。

▼着替え動作

片側の腕や手が動かしにくい場合、洋服の脱ぎ着が大変になることがあります。

洋服を着る場合は、動かしにくい方から袖を通す、洋服を脱ぐ場合は、動く方から脱ぎ始める、などのポイントがあります。

間違った側の袖から着たり脱ごうとすると、大変な場合があります。

▼手を伸ばす動作

腕があがりにくい方は、無理に反対側の手で引っ張って挙げるようにすると肩に痛みが出る場合がありますので、注意が必要です。

上方の物を取るときなど、無理にあげるのではなく、反対側の手で無理せず取るようにしましょう。

また、あまり高い所には物を置かず、楽に手の届く範囲に物を置くようにしましょう。

 

運動麻痺(下半身)による影響

下半身の運動麻痺で、問題となる点は転倒、階段動作、移動手段です。

▼転倒
足首が動かない後遺症が残った場合、歩いた際に段差にひっかかり転んでしまう可能性があります。そこで、ひっかからないように装具を履かれる方が多いです。

装具の締め付け感や見た目から、装具にあまり良い印象を持たれていない方がいらっしゃるかもしれません。その場合、ご自身の判断で装具を外して生活するのではなく、一度医療スタッフに相談してください。

中には、屋外での移動は装具を履いて、自宅内は装具を外して生活している方もいると思います。

自宅内では、廊下から部屋に入る低い敷居があり、ふとしたときに気づかずひっかかる場合があります。そうならないためにも、少し足を高くあげてひっかからないように防止するなど、注意してみてください。

▼階段動作

階段の昇り降りの際に手すりの使用が必要となる場合があります。

足首だけでなく太ももをしっかりあげることが難しくなった場合、1段ずつ交互に昇るのではなく、1段ずつ足を揃えて昇る方法に変更する必要があります。

階段の昇り降りは、ご本人の恐怖心が強くなることが多いので、十分な練習が必要です。

予め行先が決まっている場合は、エレベーターの位置を事前に確認しておくことも、1つの対策です。

▼移動手段

発症される前は、杖や装具の補助具を使わないで歩かれていた方が多いと思います。

しかし、運動麻痺が出現することにより、バランスがとれなくなったり、歩くことが難しくなる場合があります。ご自身に最適な杖や装具を使うことで、再びお一人で歩くことができるようになる方もいます。

装具や杖を使用しても、歩くことが難しい方は、車椅子が主な移動手段となります。屋内では車椅子をご自分で操作し移動されていたとしても、屋外では段差等の問題からご家族様の協力が必要となる場合があります。

 

感覚障害による影響

感覚にも種類があります、痛みを認識する感覚、熱さや冷たさを認識する感覚、指をどれくらい動かしたか認識する感覚などさまざまです。

ただ感覚障害の程度にも、全く分からない、ハッキリ分かるの0か100ではなく、少し鈍いなーという方も大勢いらっしゃいます。

感覚障害による影響では、怪我、やけど、転倒に注意が必要です。

▼怪我

痛みを認識する感覚が分かりにくい場合、気が付かない内にどこかにぶつけて怪我をしている場合があります。

少し感覚が鈍い方は、今なにかぶつかったなと分かるかもしれません。その時は、ぶつけた場所を目で見て怪我をしていないか確認するようにしましょう。

感覚が全く分からない方は、お風呂の時間でも結構ですので、ご自身の身体に怪我がないか確認しましょう。特に肘や足の指先は怪我をしやすいので注意しましょう。

▼やけど

熱さや冷たさを認識する感覚が分かりにくい場合、火傷をしてしまうことがあります。

お風呂で湯船につかる際は、必ず感覚が分かる側の手足で温度を確認してから入浴するようにしましょう。

▼転倒

ご自身の手足をどれぐらい動かしたか認識する感覚が分かりにくい場合、物を持ち損ねてしまったり、階段を踏み外してしまうことがあります。

特に段差の昇り降りの際は、転倒に繋がってしまいます。必ず目で見て確認しながら、動作を行うようにしましょう。

 

嚥下障害による影響

嚥下障害とは、食べ物を飲み込みにくくなったり、水分を飲むとむせてしまうといった症状が出ることです。

嚥下障害による影響では、食事形態に注意しなければいけません。

▼食事形態

しっかり飲み込めないと、肺炎になってしまう場合があるので、どのような状態の物を食べるかは特に慎重にならなければいけません。

特にサラサラしている水分は、嚥下障害の後遺症がある方にとってむせやすいものです。むせないために、トロミ剤といって、水分をゼリー状にして摂取する方法があります。

普段のお食事も、固形の物がなかなか飲み込めない方は、少し軟らかくした物を食べたり、食べ物自体にトロミをつけた物を食べるなどの工夫も必要です。

どのような水分のトロミの程度、食事の形態かは、必ず担当のスタッフに確認しましょう。

また、時間が経過すると、嚥下機能の低下から今までむせずに食べれていた物も、むせやすくなる場合があります。その場合は、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。

 

言語障害による影響

言語障害による影響では、コミュニケーションの方法に工夫が必要となります。

▼コミュニケーション

伝えたいことはご自身の中にあるけれど、相手にうまく言葉で伝えらない場合や、相手が話していることの理解が難しくなる場合があります。

言語障害の後遺症がある方とお話する場合は、短い言葉でゆっくりと話すと伝わることがあります。長い文章ですと理解が難しいですが、「天気がいい」等、短い言葉でゆっくりと伝えるようにしましょう。

また、質問する場合は「はい / いいえ」の2択で答えられるようにすると答えやすいです。

例えば、「ご飯、何食べたい?」等の答えに複数の選択肢がある、かつご自身で言葉を選んで答えなければいけない質問になっていると、答えることが難しくなる場合があります。そうではなく、「ご飯、魚がいい?お肉がいい?」等の答えやすいように、質問することも大切です。

 

高次脳機能障害による影響

高次脳機能障害とは、新しく記憶することが難しくなる記憶障害や、集中力が欠けてしまう注意障害、左側の物が認識しにくくなる半側空間無視など、様々な症状があり、その総称を言います。

脳梗塞になったからといって、高次脳機能の全ての症状が出るわけではありません。半側空間無視のみ出現する方もいれば、記憶障害と注意障害の両方の症状が出る方もいます。

▼記憶障害

記憶障害の方は、新しいことを記憶することが難しくなります。数分前に伝えたことを忘れていたり、どこに物を置いたか分からなくなってしまう場合があります。その場合は、ノート等に忘れないようにメモ書きをする習慣をつけましょう。

また、メモを書くだけでは書いたことを忘れてしまう場合があるので、定期的に見返す習慣もつけましょう。

▼注意障害

注意障害の方は、1つのことに集中することが難しくなります。

注意障害の改善には、ご自身で集中するように気を付けることも大事ですが、気を付けること自体も難しい場合があります。

その場合は、集中力を鍛える練習が必要になってきます。そこで、時間を決めて、ある決まった課題に取り組む練習を行い、慣れてきたらその取り組む時間を徐々に延ばしていくなどの工夫が必要です。

課題は、最初はご本人の興味のある物から行うことで、ストレスなく取り組めるでしょう。

▼半側空間無視

半側空間無視の方は、物が見えていても、認識しにくい状態になります。右側の脳を損傷した方に多く、左側を認識しにくくなる方が多いです。

食事の際に、左側のお皿にある食べ物だけ残してしまう左側から来る人に気づかずぶつかってしまう左側の髭だけ剃り残してしまう、などの症状があります。

まずご自身で、左側の認識が難しいことを理解することが重要です。

ご自身で理解したうえで、左側に対してより気をつける必要があります。

また、顔を左側に向けることで、より認識できる範囲が広がるので、そのような工夫も一つです。

また他にも、ご家族様や周囲の方に、左側の認識が難しいことを伝え、左側を見落としていた場合に注意してもらうように約束しておくことも一つです。

失敗を繰り返すことで、更に左側に注意が向き、気を付けることができていきます。

ただ、ここでご家族様が気を付ける点として、注意のしすぎもご本人のストレスに繋がります。

気を付けることができた場合は褒め、ストレスが溜まっているなと感じた時は無理に注意しない等の対応も必要です。

※左側の半側空間無視の場合を説明しましたが、右側の半側空間無視の症状が出現する方もいらっしゃいます。

 

まとめ

上で説明した生活に影響する後遺症は、生活の中のほんの一部です。説明できていない他の症状や動作で困っている方もいらっしゃると思います。

現在、生活の動作に困っていて、医療機関に通われている方は気軽にスタッフに聞いてみてください。解決策は必ずあるはずです。

医療機関に通われていない方は、お一人で悩まずお気軽にご連絡ください。解決策をご提案させていただきます。解決するように一緒に考えていきましょう。

 

執筆者:ジョイリハNEXT 理学療法士 河野 沙季

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