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豆知識ブログ

2020年07月13日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞で全く足に力が入らない人のリハビリ方法

リハビリしている女性

こんにちは。理学療法士の河野です。

「脳梗塞の麻痺で足に力が入らない場合はどんなリハビリが適しているのか?」

重度の脳梗塞による麻痺では、ほとんど力が入らず体重を支えることができないケースがあります。

しかし、体重を支えられず立てないからと言って、ベッドの上でずっと過ごしていては体の機能はどんどん弱っていってしまいます。

では、麻痺によって体重を支えられない場合はどのようなリハビリが適応になるのか?

当記事ではこちらの疑問に対する解説をしております。

最後までご覧いただけますと、重度の足の麻痺に対する科学的根拠に基づいたリハビリ方法がご理解いただけると思います。

【関連記事】重度の手の麻痺に対する科学的根拠に基づいたリハビリ方法

 

脳梗塞で全く足に力が入らない人のリハビリ方法

脳梗塞の症状によっては、重度の麻痺により足に全く力が入らなくなる場合があります。

しかし、どうにかして足に力を入れるような訓練を行っていかなければ、筋肉はどんどん細くなり筋力低下、廃用症候群に繋がってしまいます。最終的には、寝たきりの生活になってしまう可能性もあります。

そこでそれらの防止や目標である歩行の再獲得を目的に行われるのが、早期からの立つ練習や歩く練習です。

足に全く力が入らないのに、立つ練習や歩く練習が本当にできるの?と思われた方も多いでしょう。

ご自身の意思では足に力が入らなくても、立つ練習や歩く練習は行えます。実際に行っている方も大勢いらっしゃいます。

 

脳卒中治療ガイドライン2015[1]には以下のことが記載されています。

「不動・廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる。その内容には、早期座位・立位、装具を用いた早期歩行訓練、摂食・嚥下訓練、セルフケア訓練などが含まれる」

簡単にまとめると、「発症後なるべく早い時期から、リハビリテーションを行うことが良い。練習内容としては、装具を用いた歩行練習が含まれる」といった内容です。

 

立つ練習や歩く練習を行う上で、まずしっかりと両足に体重を乗せて支えることが必要となってきますが、重度の麻痺の方ですと、足に力が入らず膝がガクッと曲がってしまう方が多いです。そこで、膝を伸ばした状態でしっかり体重を支えるために使用されるのが、「長下肢装具」という装具です。

長下肢装具を使用して、立つ練習や歩く練習をセラピストの介助のもと行っていきます。

 

図1.長下肢装具

長下肢装具

 

長下肢装具の役割

長下肢装具とは、上の写真にもあるように、太ももから足底までを覆っており、膝関節・足関節の動きをコントロールする装具です。

膝関節の部分に継手があり、角度調整ができるため、膝を伸ばした状態で固定をすることができます。

重度の麻痺があり、ご自身の意思で足に力を入れることが難しい、または少し力を入れることができても、立つと足の力で支えきれずに膝がガクッと曲がってしまう方が主に使用します。

長下肢装具は、立つことが難しい方でも、しっかりと膝を伸ばした状態で立つことを可能にするという役割があります。

 

脳梗塞に対する長下肢装具を使ったリハビリの効果

「長下肢装具を使って、立つ練習や歩く練習を行うことが良い」とお伝えしました。実際にガイドラインでもそれらの練習を行うことが推奨されています。

では、長下肢装具を使って立つ練習や歩く練習を行うことでどのような効果が期待できるのでしょう。

そもそも、筋肉を動かさないとどんどん筋肉が落ちてきてしまい、筋肉がやせ細ってしまいます。

座った状態で膝伸ばし運動などの1つの関節を動かして筋肉を鍛える練習は、麻痺によって関節を動かすことが難しいので、その運動を行うこと自体が困難です。

重度の麻痺の方は、1つの関節を動かして筋肉を鍛えることは難しくても、長下肢装具を使って、立つ練習や歩く練習など、抗重力での環境で体重を支えることで、足の筋肉が反射的に働くことがしばしばあります。

実際に、足に全く力が入らない方に対して、長下肢装具を使用して歩行練習を行うと、筋がしっかり働いていることを筋電図を使って確認できた、という報告があります[2]。

この報告からも、抗重力の環境で両足に体重を乗せることの重要性が理解いただけるかと思います。

つまり、ご自身の意思では足に力を入れることが困難な方も、長下肢装具を使用し、立つ練習や歩く練習を行うことで、足の筋肉をしっかり働かせ、筋力低下や廃用症候群の予防だけではなく、目標である歩くことの再獲得を目指す効果があります。

【関連記事】電気刺激を用いた歩行に対するリハビリの効果

 

長下肢装具を外すタイミング

長下肢装具を使って練習をしていると、退院後も長下肢装具をずっとつけて生活しなければいけないの?と不安に思うかもしれません。

そういうわけではありません。

膝を伸ばした状態で固定しなくても、膝がガクッと折れずに体重を支えられるようになれば、長下肢装具から膝下の短下肢装具に切り替えて、リハビリを行っていきます。また、退院後も短下肢装具を使用して生活していく方が多いです。

長下肢装具は、普段の日常でも使う装具という位置づけではなく、身体の状態を良くするための練習で使う装具という位置づけです。

しかし、なかなかご自身の足の力でしっかりと立つことができず、膝の固定を外すと膝がガクッと折れてしまい支えられない方は、長い期間長下肢装具を履いてリハビリをする必要があります。

長下肢装具から短下肢装具に切り替えるタイミングは、患者様の身体の状態をみて医師、義肢装具士、理学療法士が判断します。

 

まとめ

重度の麻痺により、ご自身の意思で足に力を入れることが難しい方に対して、どのようなリハビリを行っていくか、長下肢装具を使用する目的、期待できる効果についてご説明しました。

重度の麻痺の方全員が長下肢装具を使用して練習を行っていくわけではなく、患者様の目標に向けてどのように訓練を進めていくかは、主治医、担当セラピストの方針によります。

練習の内容で疑問に思ったことや分からないことは、どんどん主治医、担当セラピストに質問、相談してくださいね。

ジョイリハNEXTでもリハビリに対する質問を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!

 

執筆者:ジョイリハNEXT 理学療法士 河野 沙季

 

□引用文献

[1]日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 編集:脳卒中治療ガイドライン2015 [追補2017対応].協和企画,2017.

[2]阿部浩明,大畑光司 編集:脳卒中片麻痺者に対する歩行リハビリテーション.メジカルビュー,2017.

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