- 2020年05月06日
- 脳梗塞の介護
脳梗塞の後遺症がある人へ|リハビリ視点での介護保険の使い方
こんにちは。理学療法士の高橋です。
「介護保険を使ってリハビリがしたいけど、どのサービスがいいのだろう?」
「介護保険のリハビリはどんなものがあるのか知りたい」
このようなご意見にお答えできるよう記事を作成しております。
介護保険でできるリハビリには複数の選択肢があり、それぞれに特徴がありますので、お身体の状態や目標・目的に合わせて選択いただけたらと思います。
最後までご覧いただけると、介護保険を使ったリハビリについて理解が深まると思いますので、ぜひご覧ください。
【関連記事】介護保険以外の選択肢|脳梗塞の方が多く通う自費リハビリ施設とは⁉
Contents
介護保険で受けられるリハビリサービスについて
病院を退院した後に介護保険でのリハビリサービスを利用される方は多くいらっしゃいます。
ここではリハビリサービスの種類やその特徴について記載します。
リハビリサービスの種類(サービスの名称、概要)
大きく分けて自宅でリハビリを受ける『訪問型』と施設に通所してリハビリを受ける『通所型』の2種類があります。
▼訪問型
訪問型でリハビリが受けられるサービスには「訪問リハビリテーション」があります。
このサービスは理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門職が利用者さんのご自宅に訪問し、個別のリハビリを行います。
▼通所型
通所型でリハビリが受けられるサービスには「通所リハビリテーション(デイケア)」と「通所介護(デイサービス)」があります。
どちらの施設も施設に通所し、同じ時間帯に通所されている利用者さんと一緒に集団でリハビリ・運動を行ったり、レクリエーションをしたり、必要に応じて食事・入浴の介護支援を行います。
各リハビリサービスの特徴(訪問リハはどんな人に合っているか、通所リハはどんな人に合っているか)
それでは各サービスはどんな対象の方に合っているのでしょうか。
理学療法士の視点から、ポイントを解説していきます。
▼訪問リハビリ
訪問リハビリをおすすめの方
- 生活場面での能力改善を求めてる方(例えば、トイレ動作の自立を目標としている方など)
- 自分に合った個別リハビリを受けたい方
- 外出することが困難な方
訪問リハビリの特徴
訪問リハビリのメリットは利用者さんの自宅でかつ個別でリハビリができることです。
生活の環境は利用者さんによって千差万別です。訪問リハビリは利用者さんの普段の生活場面でリハビリができるので、実場面でのお風呂動作や家事動作など、生活での活動能力の改善に直結するリハビリを行うことができる特徴があります。
加えて、個別でのリハビリのため、利用者さん自身の課題に対してピンポイントなリハビリを行うことができます。
また、自宅に訪問に来るので通所する必要がありません。外出が難しく、リハビリが必要な方にも良いサービスだと思います。
訪問リハビリのデメリット
訪問リハビリのデメリットはリハビリ施設のように整った設備でリハビリができないということです。
リハビリできるスペースが限られるため、リハビリによっては行いにくいメニューが出てきたり、また必要なリハビリ道具や機器が必ずしもあるわけではありません。
【関連記事】退院後にリハビリを受ける方法|まとめ
▼デイケア・デイサービス
デイケア・デイサービスをおすすめの方
- 一人ではなかなか運動が頑張れない方
- お身体にお悩みを持った仲間との交流を図りたい方
- リハビリだけでなく、生活上必要な介護支援が必要な方
- 自主的なリハビリを行っていきたい方
- 医学的な管理が必要な方(デイケアに限る)
デイケア・デイサービスの特徴
デイケア・デイサービスのメリットは多くの方と一緒に楽しく運動を行うことができることです。
一人ではなかなか運動をすることができないという方も周りの方と会話などしながら楽しみながら運動を行うことができます。
時間形態は1日型~短時間型と様々です。また、入浴や食事などの身体的な介護を必要としない方向けのリハビリ特化型の施設も出てきています。
リハビリ内容としては、集団でのストレッチや体操、個別リハビリ、マシンを使った筋力強化トレーニングなどを取り入れている施設があります。
お持ちの病気のために医学的な管理が必要な方は医師のいるデイケアを利用されると安心されるでしょう。
また、施設でのリハビリになるためリハビリに必要な道具などの設備も比較的揃っていることが多いです。
デイケア・デイサービスのデメリット
デイケア・デイサービスのデメリットは集団での運動が多くなり、個別でのリハビリの時間が十分に確保されないことです。
また、デイサービスにはリハビリ専門職がいない施設もあります。リハビリ専門職がいた方が安心するという方は施設の方に確認することもよいと思います。
デイケア・デイサービスと一言で言っても、施設によってもサービス内容が異なるため、各施設に確認する必要があります。また見学を行っている施設が多いため見学に行くこともお勧めします。
退院後の新たなリハビリの選択肢⁉
近年、自費リハビリ施設が増えてきており、病院退院後の新たなリハビリの選択肢となっています。
自費リハビリとは(回数も期限も内容も制限なく利用できる、料金)
『自費』とは読んだ文字の通り、保険を使わずにかかる費用を完全に自分で負担するということです。
自費リハビリをおすすめな方
- 今の状態よりも改善を強く望まれる方
- 具体的な目標がある方
- 介護保険でのサービスで思うようにリハビリができない方
- リハビリを制限なく思う存分行いたいと思う方
自費リハビリの特徴
病院では病気によって入院期間の制限が設けられ、外来のリハビリも頻度や回数が制限されています。
介護保険においても介護度によって利用回数の制限があったり、そもそも介護認定を受けないと利用することができないなどの制限があります。
しかし、自費リハビリは制限を一切設けず、利用者さんが望むまでリハビリを行うことができます。
医療保険の対象期限によりリハビリが打ち切りになったり、せっかく気に入った施設を急に変更しなければいけなくなるということもありません。
自費リハビリの懸念点
自費リハビリは保険を使ったサービスと比べると費用が高いため、利用しにくいという方もいらっしゃるかもしれません。
そのため、今の状態よりも良くなりたいと強く思う方や具体的な目標がある方、現在利用しているサービスでは思うようにリハビリができていない方などにお勧めです。
また利用方法にも制限はないため、介護保険でのリハビリサービスに加えて自費リハビリを行うこともできます。
自費リハビリ施設がどんな施設なのかわからないという方もいらっしゃると思います。
ジョイリハNEXTでは体験プログラムを用意しています。
体験では実際に受けられるリハビリ内容などを知ることもできますし、現在悩んでいることや困っていることなどを相談いただけたらと思います。
【関連記事】自費リハビリをもっと詳しく知りたい方へ
まとめ
今回は病院を退院した後のリハビリについて介護保険でのリハビリサービスと新たな選択肢である自費リハビリについて紹介しました。どのサービスを選択するかは利用者さんの目的によると思います。
各サービスに特徴があり、利用者さんが求めるものがそのサービスにあるのか、その施設で実現できるかを見極め、選択することが必要です。
もちろん、判断には専門職の意見等も必要かと思いますので、お近くの相談窓口やご担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)などに相談することをおすすめします。