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豆知識ブログ

2020年05月22日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞の退院後に受けられる外来リハビリについて

脳梗塞の患者さんが外来リハビリを受けている場面

こんにちは。理学療法士の高橋です。

現在の医療保険制度では脳梗塞等の脳血管疾患で入院しながらリハビリを受けられる期間の限度が180日間とされています[1]。

期間は疾患によって様々ですが、いつまでも入院してリハビリを受けられるというわけではありません。

入院期間中に退院後のリハビリについても考えていくことが必要です。

退院後のリハビリを行う方法はいくつかありますが、大きく分けると医療保険でのリハビリ、介護保険でのリハビリ、自費でのリハビリの3つになります。

今回は医療保険の外来リハビリについてご紹介していきます。

【関連記事】脳梗塞の方が多く通う自費リハビリ施設とは⁉

 

脳梗塞の退院後のリハビリ選択肢|外来リハビリ

病院を退院した後のリハビリの方法として、外来リハビリがあります。

外来リハビリは今まで入院していた病院や他の病院や診療所等に通院してリハビリを行うという方法です。

外来リハビリを行うには医師の指示が必要になります。

医師が継続的なリハビリを行うことで症状の改善が期待されると判断された場合などに外来リハビリができます。

そのため外来リハビリを希望される場合はまず主治医に相談するか、リハビリの担当の方に相談してみてください。

 

 

覚えておきたい外来リハビリのルール

脳梗塞の後遺症があり、外来リハビリを受けたいと思っている方が知っておくべき3つのルールがあります。

 

後遺症が残っていても継続的にリハビリができないことがある

外来リハビリは、あくまで医師の判断でリハビリを行うことが必要とされる場合に行われることとなります。

そのため病状が安定していたり、症状の改善が期待できなかったりするなどの場合には、外来リハビリが終了となることもあります。

また、退院後の維持期と呼ばれる時期のリハビリについては、介護保険でのリハビリへ移行するように体制が強化されています。

そのため、介護保険認定を受けている方は外来リハビリを終了し、介護保険でのサービスを利用するというケースが多くなっています。

 

脳梗塞のリハビリ時間に制限がある

疾患の種類によってリハビリの期限が決められていますが、その期限を超えて外来リハビリを行う際には月13単位までしかリハビリを行うことができません[1]。1単位は20分なので、月に約4時間しかリハビリをすることができません。そのため外来リハビリでは、入院期間中のように時間をかけてリハビリを行うことができないのが現状です。

 

介護保険との併用ができない

基本的に外来リハビリと介護保険サービスを併用することはできません[2]。

しかし、入院中の病院以外の施設において介護保険サービスを利用する場合は、医療保険によるリハビリの終了する日以前の2ヶ月間に限り、介護保険サービスとの併用をすることができます[2]。

お持ちの病気の後遺症により退院後にもリハビリが必要となる方も多くいらっしゃいます。入院期間中に退院後のリハビリ方法の検討をされる際にこの制度を活用されると良いと思います。

詳しくは主治医、リハビリの担当者にご相談してみてください。

【関連記事】外来リハビリの継続が難しくなったらどうすればいいのか?|外来リハビリ以外の選択肢

 

外来リハビリをおすすめな方

下記項目に該当する方は外来リハビリをおすすめの方となります。

  • 通院ができる方
  • 環境の整った医療機関でリハビリがしたい方
  • マンツーマンでリハビリが受けたい方

しかし、外来リハビリは医師の判断により利用が決まるなどの条件があり、希望通りにリハビリを行うことができないこともあります。

また長期間のリハビリは行いにくくリハビリ時間の制限もあります。

そのため、他のリハビリサービスの検討も必要になるかもしれません。

【関連記事】外来リハビリの以外のリハビリ選択肢

 

まとめ

今回は退院後のリハビリ方法として外来リハビリについてご紹介しました。

外来リハビリを行う上で色々な制限があることがわかっていただけたかと思います。

他のリハビリの選択肢として介護保険のリハビリや自費のリハビリ等もあります。

ジョイリハNEXTでは退院後のリハビリ方法についてのご相談を受け付けております。

お気軽にご相談いただけたらと思います。

 

□引用

[1]厚生労働省、令和2年度診療報酬改正について 厚生労働省告示第57号 第7部リハビリテーション、https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000603758.pdf、最終閲覧日2020年5月14日

[2]厚生労働省、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定め る掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医 薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について 、https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/9-4.pdf、最終閲覧日2020年5月14日

 

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2020年05月18日
脳梗塞の後遺症

脳梗塞で入院中の方へ。退院までに確認しておきたいこと|まとめ 

脳梗塞で入院中の人が退院までに確認しておくべきチェックリスト

 

こんにちは。理学療法士の河野です。

「退院日が近づいてきて、退院後の生活が心配になってきた」
「脳梗塞の後遺症があって自宅で生活ができるのか不安におもっている」

突然脳梗塞を発症されると、今まで当たり前に行えていたことが難しくなったり、退院した後の生活が心配になられるかと思います。

また、ご家族様にとっては一緒に生活するにあたり、どのような準備や介助が必要なのか…イメージがつかず、とても不安なことが多いかと思います。

今回は、ご自宅に帰られるまでに、入院中に確認しておきたい動作やご自宅の環境についてご説明させていただきます。

生活スタイルはその方によって異なるため、数ある内の一例を、紹介させていただきます。

 

なぜ退院前に確認が必要なのか?

入院中は、病院で生活されていますが、病院は動けるスペースが広く、患者様が動きやすいように丁度よい場所に手すりがついていたり、部屋から廊下に出るときに段差がなく平らだったりと、バリアフリー化もされています。

しかし、ご自宅はいかがでしょうか。

バリアフリー化されているお家もあるかもしれませんが、玄関から自宅に入る上がり框、浴室に入る段差、畳みの部屋に入る敷居はありませんか。

脳梗塞を発症された方は、敷居等の低い段差にもつまずいて転んでしまうことがあります。

ご自宅の環境を予め確認しておくことはとても重要です。

その他にも、入院中は「トイレはお一人で行える」「お風呂に入るには介助が必要」等、動作ごとに確認してしまいがちです。

しかし、ご自宅に帰られると、一日の生活は朝起きてから夜寝るまで続いています。

一日の生活の流れを細かく予め想定していないと、ご自宅に帰られてから想定外の介助を行わなければいけない場面に遭遇するかもしれません。

そういうことがないよう、安心してご家族様とご自宅で生活できるように、退院前に確認するべきことをチェックしていきましょう。

 

退院までに確認しておきたいこと

先ほどもお伝えした通り、、介助が必要になるであろう動作項目に抜けを生じさせないために、ご家族様の1日の流れを細かく想定しておく必要があります。

また、生活するにあたって、その動作がお一人で行えるのか、どのお部屋で行うのか、ということの確認も重要になってきます。

1日の生活の流れ、日常生活の動作、ご自宅の生活環境の3つに分けて説明していきます。

 

退院後の一日の生活の流れ

具体的に1日の流れについて、1例をもとに考えてみましょう。

想定した対象は、車椅子で生活をされている方です。背もたれのない椅子でも座れる方を想定し、1日の流れを追ってみました。

①起床から身支度、朝食

起床から朝食までの流れを考えてみましょう。

まず、起床したら起き上がり、ベッドの端に座ります。

次に着替えを行います。ベッドの上や椅子などの上で、パジャマから普段着に着替えることが多いですが、どこで着替えるかも念頭におきましょう。

着替えが終わると、車椅子移動の方は車椅子へ移動します。

その後トイレに行きますが、その時の動作も考えなければなりません。

用が済んだら洗面所へ移動し、歯磨き・洗顔等の整容動作を行い、朝食となります。

②日中の過ごし方

朝食後、デイサービス等に行かれる方はその準備が必要です。

朝食後もご自宅で過ごされる方は、昼食までの時間、部屋で趣味活動や新聞を読む等、ご自由に過ごされます。その間にトイレに行く場合もありますので、動線や動作の確認が必要でしょう。

昼食を召し上がった後も夕食の時間まで、部屋で趣味活動や新聞を読む等、ご自由に過ごされます。

③夕食から就寝

夕食を召し上がった後は、入浴や歯磨き等の整容動作を行い、パジャマに着替えます。

その後トイレに行き、ベッドへ移動してから横になり就寝されます。

 

上記で説明した、1日の流れについて、一つ一つの動作を深掘りし、動作が行えるか、それに必要な環境は何かを確認していく必要があります。

現在、一緒に住む予定のご家族様が入院されている場合は、以下の動作項目を確認してみましょう。

ご家族様が、お一人で動作が行えるか分からない場合は、担当セラピストに聞きましょう。

 

日常生活の動作

想定しておく必要のある動作は以下の通りです。

  • 起き上がりはお一人で可能か
  • ベッドにお一人で安全に座れるか
  • パジャマはお一人で着替えることは可能か
  • 車椅子からベッドへの乗り移りはお一人で可能か
  • 車椅子の自走はお一人で可能か
  • 一連のトイレ動作がお一人で可能か
  • トイレの開き戸を安全にご自分で開閉することは可能か
  • トイレの失敗はないか
  • 失敗した際の処理をご自身で行うことができるか
  • 食事の準備はお一人で可能か
  • 食事をお一人で召し上がることは可能か
  • 一人で外に出ることは可能か
  • 自由時間にお一人で安全に過ごすことができるか
  • 入浴はお一人で可能か
  • 出かける際の準備をご自分で行うことができるか

上記の内容を、お一人で行うことが困難な場合、必要に応じて介助を要することがあります。

 

退院後の生活環境

環境についても、以下の点を考えてみましょう。

  • 寝室はどの部屋にするか
  • 食事はどの部屋で行うか
  • 自由時間はどの部屋で過ごすか
  • 玄関の上がり框はお一人で昇降可能な高さか
  • トイレや洗面所・その他の部屋間の移動ルートは問題ないか(車椅子は通れるか)
  • トイレの前に車椅子は設置できそうか
  • 車椅子に乗った状態で洗面所は使用できそうか
  • 浴室前に着替えるスペースはあるか
  • 廊下と各部屋に段差はあるか

その他にも確認すべき項目はございますが、まずは上記の退院後の生活環境項目を確認してみてください。

 

入院中と退院後でGAPが起きやすい例

病院では動作をお一人で行えていても、環境が変化すると介助が必要となる場合もあります。

例としては、病院のトイレは動作が行いやすいようにスペースの確保・手すりの設置がされています。

しかし、ご自宅のトイレではスペースが狭く、動作が行いづらいために介助が必要になるといったケースです。

ご自宅でどのような動作がお一人で行え、どのような動作にご家族様の介助が必要となるか、明確にしておくことが大切です。

担当セラピストに確認しておくと良いでしょう

 

まとめ

今回は、1日の生活の流れと、そこから介助が必要となりうる動作、またご自宅の環境の確認についての説明を行いました。

確認すべき項目が多く、大変に思われるかもしれませんが、補助具を取り入れたり、動作を工夫することでお一人で行えるようになる動作もございます。

心配な点は小さな事でも結構ですので、担当セラピストに確認し、不安がない状態で退院を迎えるようにしましょう。

私たちも相談に乗らせていただきますので、お気軽にご連絡ください。

 

執筆者:ジョイリハNEXT 理学療法士 河野 沙季

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2020年05月16日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞の重い手の後遺症にはどんなリハビリがいいのか?後遺症の回復に向けて

脳梗塞の後遺症の手

こんにちは。理学療法士の小向です。

「脳卒中後の手のリハビリが思うように進まない」
「後遺症が強く残っており、動かすことが難しい」

そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

当記事では、脳梗塞の後遺症の回復に向けて、手のリハビリ方法を解説したいと思います。

 

手の麻痺は良くなるの?予後について論文をもとに解説

入院時や退院時の麻痺の程度と上肢の実用性について調査した研究はいくつかあります。

例えば、入院時に少し腕をあげられたり、手を動かせる場合、退院時に実用的に腕が使えるようになる人は8割近いことが言われています[1]。

また、介護施設に入所し、日常生活活動が自立していない患者においても、3ヶ月リハビリを行えば、日常生活活動の能力が向上することも言われています[2]。

ある程度手が動いた方が、その後のリハビリの効果を得られる可能性が高いことはもちろんですが、麻痺が重い方でもリハビリの選択肢はあります。今回は、重度の麻痺がある方を対象にしたリハビリの方法やその効果についてお伝えします。

 

重度麻痺でも手のリハビリで改善するか?

予後について紹介したように、ある程度手首や指が動いた方が、予後が良いと言われています。他方、手首が自分の意思で動かせない場合にも、適応となるリハビリ方法があります。それが電気刺激療法です。

脳卒中発症から6週から平均4ヶ月経過した方でも、腕に電気を流すことで筋の収縮や関節の動きが確認できれば上肢機能が向上するとした論文があります[3,4]。

例として、発症から150日以上経過し、重度の麻痺がある脳卒中患者を対象とした論文を紹介します。ここでいう重度の麻痺とは、麻痺した指を伸ばすことができない状態を指します。対象に対し、電気刺激療法と運動イメージ練習を組み合わせたリハビリを実施すると、上肢の機能や手の使用頻度が増加したという報告されています[4]。

上肢の機能は平均5.5ポイント、最大10ポイントの改善がみられました(図1)[4]。これは、例えば手を開く動作や腕を上げると言った動きが出てきたりすることを表します。

手の使用頻度については、表1の項目を用い、日常的においてどれくらい麻痺している手を使っているかを評価しました。紹介した先行研究の結果では、平均6.4ポイント、最大12ポイントの改善がみられました(図2)[4]。これは、日常生活で手を使う頻度がほとんどない状態から、日常的に使う頻度が増えたことを報告しています。例えば、グラスを持ち上げるときに麻痺をしている手を添えられるようになるや、服の袖に手を通すときに、麻痺した手で補助ができるなどが挙げられます。手を使う頻度を増やすことは、リハビリの効果を向上させる上でも非常に重要な指標となります。

表1. Motor Activity Log(MAL)[5]

脳梗塞の手の使用頻度の評価

図1 上肢の機能評価(Fugl-Meyer Assesment)[4]の結果より作成

脳梗塞の手の機能評価のグラフ

図2 手の使用頻度(Motor Activity Log)[4]の結果より作成

脳梗塞の手の使用頻度の研究結果のグラフ

 

このように、電気刺激を行うことで、重度の麻痺があっても上肢機能を向上させる可能性が報告されています。では、具体的にどのように練習をしていくのか、説明をしていきます。

 

どれくらいリハビリすれば良いの

手を積極的に使うためには、リハビリテーションの量を確保することが大切になります。紹介した論文では、必要な練習期間として、1回60分程度、週5回のリハビリを行っています[3]。

上記の時間についてリハビリを行う場合、週数回程度の外来リハビリで十分な時間を確保できない可能性があります。よって、病院や施設でのリハビリ以外に、自宅でも麻痺をした手を使う工夫が必要になります。

 

具体的にどんな方法で行うの?

電気刺激療法は、低周波刺激装置などと呼ばれる電気刺激装置を用いて行います。動かしたい関節の動きに対応した、筋肉、神経へ電極を貼り刺激を行います。刺激の強さは、セラピストと相談しながら決めます。利用者さんが感じる刺激としては、ピリピリした程度で、強い痛みを伴うことはありません。

また、刺激に合わせて、手を動かすトレーニングも併用していく方法もあります。セラピストと相談し、自分の手の機能に合わせた刺激やトレーニングを行っていくことが必要です。

 

まとめ

今回は電気刺激療法について紹介しました。

自分は適応になるのか、具体的にどんな練習が必要かについては、理学療法士や作業療法士といったリハビリ職に相談してみましょう。

ジョイリハNEXTでは、リハビリの体験プログラムを設けています。

手のリハビリについて、ご相談がある方は、是非一度ご相談いただければと思います。

 

文責:ジョイリハNEXT 理学療法士 小向佳奈子

 

引用文献

[1]Nakayama H, et al.: Recovery of upper extremity function in stroke patients: the Copenhagen Stroke Study. Arch Phys Med Rehabil. 1994;75(4):394-8.

[2]Sackley C, et al.: Cluster randomized pilot controlled trial of an occupational therapy intervention for residents with stroke in UK care homes. Stroke. 2006 Sep;37(9):2336-41

[3] Pomeroy VM, et al.: Electrostimulation for promoting recovery of movement or functional ability after stroke.Cochrane Database Syst Rev. 2006 Apr 19;(2):CD003241.

[4]Okuyama K, et al.: Effect of the combination of motor imagery and electrical stimulation on upper extremity motor function in patients with chronic stroke: preliminary results. Ther Adv Neurol Disord. 2018 Oct 9;11:1756286418804785.

[5]高橋香代子、他:新しい上肢運動機能評価法・日本語版Motor Activity Logの信頼性と妥当性の検証.作業療法28:628-636, 2009

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2020年05月15日
脳梗塞の介護

脳梗塞の後遺症がある人に必要な介護保険の知識|リハビリ専門職が解説

脳梗塞の方に知ってほしい介護保険

こんにちは。理学療法士の高橋です。

年齢を重ねるごとにお身体に不調をきたし、今まで行ってきた生活を送ることが難しくなって来る方が多くいらっしゃいます。

そのような方の生活を支える為のサービスが増えてきております。

介護保険によるサービスもその一つです。

当記事では介護保険の内容とサービスについて解説していきます。

 

介護保険とは

日本社会の高齢化に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など介護の必要性がますます来ています。

しかし、核家族世帯の増加や介護を担う家族の高齢化など家族だけでは十分に介護を行うことが難しい状況にもなってきています。

そこで、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして介護保険制度が誕生しました[1]。

 

介護保険の対象者

介護保険制度の対象者には『第1号被保険者』『第2号被保険者』という区分があり、

そのどちらかに該当する方が介護保険サービスを利用することができます。

それぞれの条件は以下の表の通りです。

(厚生労働省、介護保険制度について、https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/2gou_leaflet.pdf、最終閲覧日:2020年4月12日、一部改変)

 

第2号被保険者の受給条件である特定疾病は以下の16項目です。

(厚生労働省、介護保険制度について、https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/2gou_leaflet.pdf、最終閲覧日:2020年4月12日)

介護度と上限額

要介護認定には状態の軽い状態からより重たい状態までの7段階に分けられ、

それぞれ要支援1~2、要介護1~5に分類されます。

それぞれの介護度によって介護保険のサービスの利用限度が定まっています。

そのため、介護保険を使って好きなだけサービスを利用できるわけではありません。

詳しい利用限度については担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)に確認してみてください。

 

介護保険サービスを利用するには

介護保険サービスを利用するためには、まず介護認定を受けなければいけません。

(厚生労働省、サービス利用までの流れ、https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/flow.html、最終閲覧日:2020年4月12日、一部改変)

お住まいの市区町村の窓口に相談に行きます。第2号被保険者が申請する場合は、医療保険証が必要となるので、ご持参することを忘れないようにしてください。

②ご自宅もしくは施設に調査員が訪問し、認定調査を行います。主治医の意見書は市区町村が主治医に依頼してくれます。

③調査結果と主治医の意見書などをもとに介護認定審査会が開かれ、介護度の判定が行われます。

④介護認定が下りたら、要支援の方は地域包括支援センターへ、要介護の方は居宅介護支援事業所に行き、介護保険利用の手続きを行います。

⑤これらの過程を経て、介護保険サービスの利用開始となります。

 

介護保険で利用できるサービス

介護保険では様々なサービスを利用することができます。

ここでは介護保険で利用できるサービスの種類についてを紹介し、その特徴についてお伝えしようと思います。

 

居宅サービス

居宅サービスとはご自宅で生活しながら利用できる介護保険サービスのことを言います。

大まかな種類を以下の表に記載します。

それぞれ似たようなサービスもありますが、どこで介護保険サービスを受けるかというところが異なります。

また、短期間で施設に入所することができるサービスもあります。

ご家族のご都合により、一定期間ご自宅での介護ができない際に利用したり、日々の介護負担の軽減のために利用されることもあります。

 

施設サービス

施設サービスとは施設に入所し、生活を送ることができるサービスのことを言います。

大まかなサービスの種類は以下の表に記載します。

介護老人福祉施設と介護老人保険施設は機能が似ていますが、介護老人保健施設には医学的な管理機能が備わっているということが大きな特徴です。また、在宅復帰を目的にしているため、病院を退院されたが、在宅復帰のために医学的管理の元、継続的なリハビリテーションが必要という方が利用されることがあります。

 

福祉用具

福祉用具とは、「心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人または心身障害者の日常生活上の便宜をはかるための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう」と定義されています[2]。

福祉用具は介護保険によりレンタルできるものと購入できるものがあります。

それぞれ以下の表にまとめました。

福祉用具は身体状況によって変更する必要があります。その都度、適切な福祉用具を選び使用しましょう。

また、介護保険で購入できるについては月10万円を限度に補償対象になります[3]。

 

住宅改修

住宅改修は身体機能が低下している高齢者や障害を持った方がご自宅で生活を送るために必要となるものの一つです。

住宅改修も介護保険により費用の補償が受けられます。

補償の対象となる住宅改修の種類は以下の表のとおりです。

住宅改修に対する費用の支給限度は20万円となっています。

そのため、何が必要な改修なのかを判断する必要があります。

担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)に相談し、決めていきましょう。

 

まとめ

今回は、介護保険制度の内容と利用できるサービスについて記載しました。

介護保険制度と言っても様々なサービスがあるため、混乱される方も多くいらっしゃるかと思います。

その方に合ったサービスを利用することが必要になりますので、まずは申請窓口に行き、現在抱えているお困りごとを相談することから始められると良いかと思います。

 

□引用

[1] 厚生労働省、公的介護保険制度の現状と今後の役割、https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdf、最終閲覧日:2020年4月12日

[2] 細田多穂、地域リハビリテーション学テキスト、南江堂、2013

[3] 厚生労働省、介護保険における福祉用具、https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000314951.pdf、最終閲覧日:2020年4月12日

文責:ジョイリハNEXT 理学療法士 高橋 勇希

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2020年05月11日
脳梗塞のリハビリ

半年以上経過した脳梗塞の後遺症はリハビリで良くなるのか?

半年経過 脳梗塞 良くなるのか 質問

こんにちは。理学療法士の河野です。

脳卒中を発症すると、脳の障害を負った部位や大きさにもよりますが、なんらかの後遺症(運動麻痺、感覚障害、言語障害等)を伴うことが多いです。

過去の報告では、麻痺の改善は、脳卒中を発症してから半年以降はあまり変わらない、といわれてきました。

しかし、近年の研究の報告では、発症から半年以上経過している方の後遺症の改善について、多くの報告があります。

では、半年以上経過した脳梗塞の後遺症はリハビリによって本当に改善するのでしょうか?

 

脳卒中による後遺症の改善は半年まで、というのは過去の話

過去の報告では、脳卒中を発症した後、麻痺の機能の改善は半年で一定になると言われてきました。

手に関しては、リハビリの目的として、障害を負った麻痺の改善よりも「残っている機能を生かす」ことに焦点が当たっていました。つまり、麻痺していない側の手で、日常の生活を行えるよう機能を高めることを重点的に行うリハビリの方法です。

しかし近年では、損傷された脳の神経の回復に対する研究が進んでおり、リハビリを行うことで、脳卒中を発症してから半年以降でも、後遺症が改善するという報告が多々あります。

そのため、脳卒中を発症してから半年以降は後遺症は治らない、と諦めないでください。半年以上経過しても、改善する余地は十分にあります。

 

発症してから半年以降も後遺症は改善する可能性がある

後遺症の改善には「脳の可塑性」がポイントとなってきます。聞きなれない言葉かと思いますが、脳の可塑性とは、簡単にいうと脳のある部分が損傷を受けても、損傷を受けていない部分が補い、回復しようとすることです。

脳卒中により、脳の神経細胞は一度損傷を受けてしまうと、残念ながらその神経細胞は元に戻ることはありません。しかし、リハビリを行い、脳へ刺激を与えることで、周辺の損傷を受けていない神経細胞が、新たな神経回路を作ることが報告されております。

例えば、足首を動かす機能を司っている神経細胞が傷ついてしまうと、足首が動かしにくくなってしまいます。しかし、脳へ刺激を与えることで、周辺の神経細胞が足首を動かすよう指令を出し、再び足首を動かせるようになるという仕組みです。

このように、脳は損傷を受けても回復しようとする能力があります。一部の脳の機能が損傷を受けても、リハビリによって周りの神経細胞で補い、機能回復をすることが可能なのです。

 

後遺症の改善にはリハビリは必須

脳卒中の後遺症の改善にはリハビリは必ず必要となってきます。

その理由としては、上記にお伝えした脳の可塑性もそうです。実際に障害を負っている部位を積極的に動かす必要があります。

リハビリテーションの一つにCI療法といって、麻痺している側の手を積極的に使用するという運動の方法があります。

 

▼今回はリハビリ(CI療法)に関する1つの研究をご紹介します[1]。

こちらの研究に参加した方々は、脳卒中を発症してから平均4.5年経過している方々です。麻痺している側の手を積極的にリハビリをしたグループと、その他の運動をしたグループを比べて経過を追った研究です。

結果は下の図を見ていただくと一目瞭然です。

半年経過した脳梗塞患者へのリハビリ(CI療法)

 

図1.CI療法と対象群の実生活における手の使用に関する変化[[1][2]より一部改変]

図の縦の軸は、いかに日常で麻痺している側の手が使えているかを表しています。数字が大きくなるほど、縦の軸が上にいくほど普段の生活の中でよく手が使えていることを表しています。

横の軸は、10日間リハビリを行い、その後変わらず日常で手を使えているか経過を追っていることを表しています。

麻痺している側の手を積極的にリハビリをしたグループでは、生活の中でも手を使えるようになっています。しかし、その他の運動をしたグループでは、変化がみられませんでした。

つまり、発症から4.5年経過していたとしても、適切にリハビリを行えば、後遺症が良くなる可能性があると言えます。

こちらの報告は一例ですが、同様の研究報告は多数存在します。

麻痺している側の改善に対しては、麻痺している側に対してしっかりと適切なリハビリ必要であることが言われております。

後遺症の改善には、リハビリの量と質が重要になってきます。

【関連記事】CI療法のリハビリ成果をブログで解説

 

まとめ

脳卒中を発症してから半年以上経過している方でも、まだまだ機能は改善する可能性があることについてお伝えしました。

過去には、半年以上経過していると、改善は一定になると言われておりましたが、最近では「能力を向上するために、新たな戦略に挑戦する時点」という解釈も提案されています[3]。

回復期病院を退院した後は、リハビリが終了というわけではなく、新たなリハビリに挑戦していく時期でもあるのではないでしょうか。

改善の経過や程度に関しては、お一人お一人異なってきます。その方の発症時の状況や、どのような回復の経過をたどってきたのか等をリハビリスタッフが把握する必要があります。

ジョイリハNEXTでは、お一人お一人の状態や今までの経過に関するお話を伺ってから、その方に合った最適なリハビリテーションメニューを組ませていただいております。

相談だけでも結構ですので、お気軽にご連絡ください!

 

□引用

[1]Taub E, Uswatte G, et al. A Placebo-contolled trial of constraintinduced movement therapy for upper extremity after stroke. Stroke 37: 1045-1049. 2006

[2]竹林崇 著, 上肢運動障害の作業療法, 文光堂, p12, 2018

[3]Levine PG: Stronger After Stroke: Your Roadmap to Recovery, 2nd  edition. Domos Medical Publishing, 2012

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