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豆知識ブログ

2020年07月27日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞の痺れに対するリハビリ

脳からくる痺れ

こんにちは。理学療法士の小向です。

脳卒中後の後遺症として、しびれに悩まれている方も多いのではないでしょうか?

当記事は、しびれに対するリハビリの研究をもとに作成し、しびれに対する治療方法をまとめております。

ぜひ、しびれに悩まれいている方は最後までご覧いただければと思います。

 

脳梗塞としびれについて

脳梗塞になると手足が動かないといった運動麻痺のほかに、手足がしびれる、痛みが出る、手足の感覚が鈍いなどの症状が現われることがあります。これらを総じて感覚障害とよびます。 

脳梗塞後に手足の痛みを訴えた人を調べた研究では、脳の視床や延髄といった部位が障害されると、痛みが生じやすいことがわかっています[1]。

視床は脳の中でも、様々な感覚の中継地点であり、そこが障害されると感覚障害や痛みが現れやすくなります。

 

しびれに対する治療方法について

しびれに対する治療方法、しびれに対し薬で治療を行う方法と、手足の麻痺を改善させる方法をとることでしびれの改善を目指す方法とがあります。具体的には以下のものが挙げられます。

  • 薬物療法
  • 電気刺激療法
  • 経頭蓋直流電気刺激(tDCS: transcranial direct current stimulation)
  • CI療法

脳卒中ガイドライン2015(追補2017)[2]では、中枢性疼痛に対して、プレガバリンという薬を使用することを勧めています。

痛みには脳や脊髄の障害が原因で起こる「中枢性疼痛」と、末梢神経の障害が原因で起こる「末梢神経障害」があります。プレガバリンは、特に中枢性の痛みに対して有効であるとされています。

電気刺激療法は、手足に弱い電気を流すことで、電気の力で筋肉を動かす方法です。このリハビリを行うことで、手の動きが改善したり、歩行速度が向上するなども報告されています。

経頭蓋直流電気刺激は、頭部から磁気を流して、脳の活動を向上させる方法です。麻痺をした手足が動きやすくなったなどの報告があります。

CI療法は、麻痺をした手を生活の中で積極的に使う様にする方法です。適応は、ある程度手を動かすことが出来る方で、このリハビリを行うことで、手の動きの質や日常での手の使用頻度が向上することが言われています[3]。

しびれを起こす病気は、脊椎や脊髄の病気、末梢神経障害などでも引き起こされることがあります。違う病気が隠れていることもありますので、一度医師に相談してみることをお勧めします。

 また、急にしびれが強くなった場合は、脳梗塞、脳出血の再発の可能性も考えられます。その場合もすぐに医療機関を受診されることをおすすめします。

 

引用

  1. S Choi-Kwon, et al. Musculoskeletal and central pain at 1 year post-stroke: associated factors and impact on quality of life. Acta Neurol Scand. 2017;135(4):419-425.
  2. 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会編集、脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017対応]、株式会社協和企画、2017年
  3. Wu CY, et al: A randomized controlled trial of modified constraint-induced movement therapy for elderly stroke survivors: changes in motor impairment, daily functioning, and quality of life. Arch Phys Med Rehabil. 2007 Mar;88(3):273-8.

 

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2020年07月18日
脳梗塞の再発予防

脳梗塞の再発予防に効果的な運動とは?

有酸素運動をしている男女

 

こんにちは。理学療法士の笹田です。

脳梗塞の再発予防にとって運動はとても重要な項目になります。

 

さて、「脳梗塞の再発予防のために運動を始めたいけど、何から始めたらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか?

 

この記事では、リハビリの専門家である理学療法士が、脳梗塞の再発予防に対する運動に必要な情報をまとめております。

最後まで読んで頂けますと、運動の効果ややり方、運動のポイントについての知識を深めることが出来ると思います。

ぜひ、ご覧ください。

 

脳梗塞の再発予防には有酸素運動が最適

脳梗塞の再発予防には有酸素運動が良いとされています。

有酸素運動には内臓脂肪を減らす働きがあり、以下の効果が期待できます。

  • 高血糖の予防・改善
  • 脂質異常症の予防・改善
  • 高血圧の予防・改善
  • 動脈硬化の予防・改善

つまり、有酸素運動には、様々な生活習慣病の原因を予防・改善する効果があり、脳梗塞の再発予防には最適な運動と言えます。

 

有酸素運動の種類

有酸素運動は長時間継続して行える運動を言います。

代表的な有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、サイクリング、エアロバイク、水泳、エアロビクスがあげられます。

有酸素運動の種類よりも、まずは継続出来ることが大切だと考えられます。

なので、自分が継続出来そうな運動を選んでみてください。

運動による効果は一朝一夕には得られることができません。

継続できる運動が最も効果的な運動です。

 

脈拍数で運動強度を管理しよう

運動の効果を効率良く得るためには、運動の強度を適切に設定する必要があります。

有酸素運動の運動強度は一分間の脈拍数が110~120回が最適です。

中年の方であれば脈拍数を120回を保つように運動を行い、ご高齢の方であれば脈拍数を110回に保つように運動を行っていただくと良いと思います。

 

脈拍数の測り方

脈拍数の測り方を紹介します。ご自身で出来そうな方を選んでいただければと思います。

▼基本的な測り方

脈拍数は手首で測ります。

15秒間の脈拍数を数えて、その数を4倍します。

運動の合間や休憩中に行うと良いでしょう。

 

簡単な測り方

運動中に脈拍を測ることがわずらわしい、脈拍を上手く測れないという方におススメの方法です。

それは自覚的運動強度を用いる方法です。

自覚的運動強度とは、運動のきつさを自分の感覚で表すことを言います。

下の表の11~12くらいの間で運動すると、だいたい脈拍数が110-120くらいになっていますので、楽である~ややきついと思う一歩手前のきつさで運動を続けていただけると良いと思います。

ボルグスケール

 

まとめますと、1分間の脈拍数が110-120回を目安とし、運動のきつさは楽である~ややきついと思う一歩手前で運動を続けるのが最適ということになります。

 

コツコツと運動を継続することがベスト

健康のための有酸素運動は個人の体力や状態にあわせて、頻度、強さ、時間、運動の種類を考えていくことが必要です。

体力のある人はランニングやジョギングを30分以上行うことが必要な場合もあるでしょうし、運動初心者の人は家の周りを散歩する程度の運動で十分な場合もあるでしょう。

とにかく、健康のために有酸素運動をする際には、継続することが大切です。

これなら続けられそうだな、気分転換になって楽しいなと思える運動を、こまぎれでも構いませんので、一日20-30分くらいを目安に行っていただけると良いと思います。

 

まとめ

脳梗塞は再発の可能性がある病気です。

一般的には、1回目の脳梗塞よりも2回目の脳梗塞の方が症状が強く出てしまう傾向にありますので、再発予防はとても重要になります。

再発予防には適切な情報を知り、しっかりと予防に対して取り組んでいく必要があります。

この記事が、再発予防に対するきっかけや、ヒントになれば幸いです。

 

文責:ジョイリハNEXT 理学療法士 笹田剛志

 

□参考

健康長寿ネット,トレーニング:有酸素運動とは(2020.6.9参考)

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/yusanso-undou.html#:~:text=%E6%9C%89%E9%85%B8%E7%B4%A0%E9%81%8B%E5%8B%95%E3%81%AF%E4%BD%93,%E6%94%B9%E5%96%84%E3%81%99%E3%82%8B%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

内山真一郎著,脳梗塞の予防・治療と生活の仕方,主婦と生活社,p146-147,2007

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2020年07月13日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞で全く足に力が入らない人のリハビリ方法

リハビリしている女性

こんにちは。理学療法士の河野です。

「脳梗塞の麻痺で足に力が入らない場合はどんなリハビリが適しているのか?」

重度の脳梗塞による麻痺では、ほとんど力が入らず体重を支えることができないケースがあります。

しかし、体重を支えられず立てないからと言って、ベッドの上でずっと過ごしていては体の機能はどんどん弱っていってしまいます。

では、麻痺によって体重を支えられない場合はどのようなリハビリが適応になるのか?

当記事ではこちらの疑問に対する解説をしております。

最後までご覧いただけますと、重度の足の麻痺に対する科学的根拠に基づいたリハビリ方法がご理解いただけると思います。

【関連記事】重度の手の麻痺に対する科学的根拠に基づいたリハビリ方法

 

脳梗塞で全く足に力が入らない人のリハビリ方法

脳梗塞の症状によっては、重度の麻痺により足に全く力が入らなくなる場合があります。

しかし、どうにかして足に力を入れるような訓練を行っていかなければ、筋肉はどんどん細くなり筋力低下、廃用症候群に繋がってしまいます。最終的には、寝たきりの生活になってしまう可能性もあります。

そこでそれらの防止や目標である歩行の再獲得を目的に行われるのが、早期からの立つ練習や歩く練習です。

足に全く力が入らないのに、立つ練習や歩く練習が本当にできるの?と思われた方も多いでしょう。

ご自身の意思では足に力が入らなくても、立つ練習や歩く練習は行えます。実際に行っている方も大勢いらっしゃいます。

 

脳卒中治療ガイドライン2015[1]には以下のことが記載されています。

「不動・廃用症候群を予防し、早期の日常生活動作向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもとにできるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる。その内容には、早期座位・立位、装具を用いた早期歩行訓練、摂食・嚥下訓練、セルフケア訓練などが含まれる」

簡単にまとめると、「発症後なるべく早い時期から、リハビリテーションを行うことが良い。練習内容としては、装具を用いた歩行練習が含まれる」といった内容です。

 

立つ練習や歩く練習を行う上で、まずしっかりと両足に体重を乗せて支えることが必要となってきますが、重度の麻痺の方ですと、足に力が入らず膝がガクッと曲がってしまう方が多いです。そこで、膝を伸ばした状態でしっかり体重を支えるために使用されるのが、「長下肢装具」という装具です。

長下肢装具を使用して、立つ練習や歩く練習をセラピストの介助のもと行っていきます。

 

図1.長下肢装具

長下肢装具

 

長下肢装具の役割

長下肢装具とは、上の写真にもあるように、太ももから足底までを覆っており、膝関節・足関節の動きをコントロールする装具です。

膝関節の部分に継手があり、角度調整ができるため、膝を伸ばした状態で固定をすることができます。

重度の麻痺があり、ご自身の意思で足に力を入れることが難しい、または少し力を入れることができても、立つと足の力で支えきれずに膝がガクッと曲がってしまう方が主に使用します。

長下肢装具は、立つことが難しい方でも、しっかりと膝を伸ばした状態で立つことを可能にするという役割があります。

 

脳梗塞に対する長下肢装具を使ったリハビリの効果

「長下肢装具を使って、立つ練習や歩く練習を行うことが良い」とお伝えしました。実際にガイドラインでもそれらの練習を行うことが推奨されています。

では、長下肢装具を使って立つ練習や歩く練習を行うことでどのような効果が期待できるのでしょう。

そもそも、筋肉を動かさないとどんどん筋肉が落ちてきてしまい、筋肉がやせ細ってしまいます。

座った状態で膝伸ばし運動などの1つの関節を動かして筋肉を鍛える練習は、麻痺によって関節を動かすことが難しいので、その運動を行うこと自体が困難です。

重度の麻痺の方は、1つの関節を動かして筋肉を鍛えることは難しくても、長下肢装具を使って、立つ練習や歩く練習など、抗重力での環境で体重を支えることで、足の筋肉が反射的に働くことがしばしばあります。

実際に、足に全く力が入らない方に対して、長下肢装具を使用して歩行練習を行うと、筋がしっかり働いていることを筋電図を使って確認できた、という報告があります[2]。

この報告からも、抗重力の環境で両足に体重を乗せることの重要性が理解いただけるかと思います。

つまり、ご自身の意思では足に力を入れることが困難な方も、長下肢装具を使用し、立つ練習や歩く練習を行うことで、足の筋肉をしっかり働かせ、筋力低下や廃用症候群の予防だけではなく、目標である歩くことの再獲得を目指す効果があります。

【関連記事】電気刺激を用いた歩行に対するリハビリの効果

 

長下肢装具を外すタイミング

長下肢装具を使って練習をしていると、退院後も長下肢装具をずっとつけて生活しなければいけないの?と不安に思うかもしれません。

そういうわけではありません。

膝を伸ばした状態で固定しなくても、膝がガクッと折れずに体重を支えられるようになれば、長下肢装具から膝下の短下肢装具に切り替えて、リハビリを行っていきます。また、退院後も短下肢装具を使用して生活していく方が多いです。

長下肢装具は、普段の日常でも使う装具という位置づけではなく、身体の状態を良くするための練習で使う装具という位置づけです。

しかし、なかなかご自身の足の力でしっかりと立つことができず、膝の固定を外すと膝がガクッと折れてしまい支えられない方は、長い期間長下肢装具を履いてリハビリをする必要があります。

長下肢装具から短下肢装具に切り替えるタイミングは、患者様の身体の状態をみて医師、義肢装具士、理学療法士が判断します。

 

まとめ

重度の麻痺により、ご自身の意思で足に力を入れることが難しい方に対して、どのようなリハビリを行っていくか、長下肢装具を使用する目的、期待できる効果についてご説明しました。

重度の麻痺の方全員が長下肢装具を使用して練習を行っていくわけではなく、患者様の目標に向けてどのように訓練を進めていくかは、主治医、担当セラピストの方針によります。

練習の内容で疑問に思ったことや分からないことは、どんどん主治医、担当セラピストに質問、相談してくださいね。

ジョイリハNEXTでもリハビリに対する質問を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください!

 

執筆者:ジョイリハNEXT 理学療法士 河野 沙季

 

□引用文献

[1]日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 編集:脳卒中治療ガイドライン2015 [追補2017対応].協和企画,2017.

[2]阿部浩明,大畑光司 編集:脳卒中片麻痺者に対する歩行リハビリテーション.メジカルビュー,2017.

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2020年07月04日
脳梗塞のリハビリ

脳梗塞で麻痺した足で体重を支持できるようになるリハビリ方法

片足で支えてバランスをとる男性

こんにちは。理学療法士の小向です。

「脳梗塞で麻痺した足に全然力が入らない」
「麻痺した足で支えることがほとんどできない」
「脳梗塞の後遺症がある足に体重をかけることが怖い」

脳梗塞を発症すると、麻痺している足で支えることが難しくなる方がとても多くいらっしゃいます。

当記事では、脳梗塞で麻痺した足で支えられるようになるためのリハビリを解説しています。

最後まで読んでいただけると、麻痺した足で支えるためのヒントになることをお伝えできると思いますでので、ぜひご覧ください。

【関連記事】歩き方の改善を目的としたリハビリ方法

 

脳梗塞で麻痺した足で支持できないと、転倒リスクが高まる?

脳卒中で足が麻痺すると、麻痺した足に体重をかけることが難しくなります。また、自分では左右対称に体重をかけているつもりでも、計測してみると、麻痺側に体重が乗っていないこともあります。

立ち上がりや歩行において、左右の足に対称に体重をかけることが重要になります。

左右対称に体重をかける練習について研究した論文から、その効果について紹介しましょう[1]。

この論文では、脳卒中患者さんを対象にし、以下の2つのグループに分け、それぞれ練習を行いました。

1)介入グループ
・立位で左右対称に体重をかける練習
・立ち上がり練習
・従来のリハビリ練習

2)通常リハビリグループ
・従来のリハビリ練習のみ

結果は、介入グループの方が、通常リハビリグループよりも、体重が左右対称にかけられるようになりました。さらに、リハビリ後6ヶ月時点において、介入グループの方が通常リハビリグループよりも転倒する割合が低い結果になりました。具体的には、通常リハビリグループが24人中10人(41.7%)が転倒したのに対し、介入グループは30人中5人(16.7%)でした。

脳梗塞で足が支えられなくなった人を対象にしたリハビリ研究

この研究だけで、断言はできませんが、左右対称に体重がかけられると、転倒のリスクを減らす可能性があるかもしれません。

転倒は、骨折など大きなけがにつながることもあります。

では具体的にどういう練習をすれば、麻痺側でも支持できるようになるか、紹介していきます。

 

脳梗塞で麻痺した足で支持できるようになるためには?

麻痺した足で支持し、体重をかける練習方法として、立ち上がりの練習があります。

単純に立ち上がり練習の繰り返しでも、ある程度麻痺側に体重がかかりますが、多くの患者さんは、無意識のうちに支持しやすい麻痺していない足に多く体重をのせて、立ち上がっています。この状態では、ただ繰り返し立ち上がり練習していても、麻痺側に体重がのるようにはなりません。

ポイントは「麻痺した足を引いた状態で立ち上がり練習をする」ことです。

 

足を引いた立ち上がり練習の効果

実際に足を引いた立ち上がり練習の効果を調べた研究を紹介します[2]。

この研究は、脳卒中患者さん50名を以下のグループに分け、それぞれ練習を行いました。

1)足を引いた立ち上がり練習グループ
麻痺した足を反対の足より後ろに位置して立ち上がるトレーニングを実施

2)足を左右対称に位置した立ち上がり練習グループ
両足を左右対称に位置して立ち上がるトレーニングを実施

練習は1回30分で、週5回、4週間行いました。4週間後の時点で、立ち上がり中の足に左右対称にに体重がかかっているか(下肢荷重量)やバランス能力が改善するか調べました。

その結果、麻痺した足を反対の足よりも後ろに引いて立ち上がる方が、左右対称に位置するよりも、立ち上がり動作中に下肢荷重量の非対称性やバランス能力が改善することが示されました。

この研究からも、麻痺した足を少し引いた状態で立ち上がることで、麻痺した足にも体重がかけられるようになることがわかります。

 

 麻痺した足に体重をかける立ち上がり練習をやってみよう!

まず、椅子に座り、麻痺側の足を反対の足よりも少し後ろ(椅子側)に引いてみましょう。その状態で立ち上がりを行うと、麻痺側に体重がかかりやすくなります。ただ注意点もありますので練習を行う前に目を通していただければと思いまいます。

 

脳梗塞で麻痺した足で支えるリハビリ方法①

注意点☝️

  1. 足を手前に引けば引くほど、麻痺側の足に体重がかかりますが、その分バランスを崩しやすくなりますので、最初は10cmくらい引いた状態から始めてみましょう。
  2. 不安定な麻痺した足で支えることになりますので、転倒しないよう、手すりや安定した椅子などがある場所で行いましょう。
  3. 初めて行うときは、可能であれば理学療法士や作業療法士といったリハビリスタッフや介助者がいる場所で行いましょう。

 

このように、立ち上がり練習は、練習の方法を工夫することで、より効果を得られやすくなります。

他にも、椅子やベッドの高さを調整したり、手で支持するものの位置や場所を変えたりすることで、立ち上がり練習の難易度を調整することができます。

どのリハビリにおいてもそうですが、ただ闇雲に練習するのではなく、患者さんに合った適切な方法や難易度を設定することが重要です。

ぜひリハビリの専門家である理学療法士や作業療法士といったスタッフに、練習の方法を確認してみると良いでしょう。

【関連記事】歩行に着目したリハビリ方法

 

まとめ

脳梗塞で麻痺した足で支えられるようになるリハビリをお伝えさせていただきました。

はじめから足を引いた状態で立ち上がりが出来なくてもかまいません。立ち上がるときの意識として、いつもよりも少し足を引いて立ってみるといった具合から練習をはじめていただければと思います。

ジョイリハNEXTでは、リハビリの体験プログラムを設けています。

リハビリについて、ご相談がある方は、是非一度ご相談いただければと思います

 

文責:ジョイリハNEXT亀有 小向佳奈子

 

引用文献

1. P T Cheng, et al.: Symmetrical Body-Weight Distribution Training in Stroke Patients and Its Effect on Fall Prevention. Arch Phys Med Rehabil. 2001 Dec;82(12):1650-4.

2. Meng Liu, et al.: Effects of Modified Sit-To-Stand Training on Balance Control in Hemiplegic Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial. Clin Rehabil. 2016 Jul;30(7):627-36.

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2020年06月27日
脳梗塞の後遺症

重度の脳梗塞の方の後遺症とリハビリについて

脳とネットワーク

こんにちは。理学療法士の高橋です。

  • 重度の脳梗塞になったらどんな後遺症でてしまうのか?
  • 後遺症は回復するのか?
  • どんなリハビリをしていくのか?
  • 退院後はどうするのか?

こんな疑問にお答えする記事を作成しました。

最後まで読んでいただけると、重度の脳梗塞についての情報は網羅的に分かるようになると思いますので、ぜひご覧ください。

 

 重症な脳梗塞

脳梗塞は、大きく分けて3つに分類されます。

不整脈の1つである心房細動が原因で、心臓の中にできた血の塊が脳の血管で詰まる『心原性脳塞栓症』、動脈硬化が原因で脳へ向かう太い血管の血流の流れが悪くなって生じる『アテローム血栓性脳梗塞』、脳内の細い血管が詰まる『ラクナ梗塞』の3つです。

「重症な脳梗塞」は、心原性脳塞栓症やアテローム血栓性脳梗塞を指していることが多く、これらは、太い血管が詰まって生じることが多い脳梗塞のため、その分症状が重くなりやすいという特徴があります。

【関連記事】軽度の脳梗塞についての基本知識

 

心原性脳塞栓症とは

心臓内にできた血栓が、脳の中の血管まで流れて脳の太い血管を詰まらせることで生じる脳梗塞のことです。

不整脈のひとつである心房細動が主な原因と言われています。

心原性脳塞栓症は、それまで全く問題のなかった脳血管が突然詰まるため、脳梗塞の範囲は広くなることが多く、症状は重くなりやすいという特徴があります。

 

アテローム血栓性脳梗塞とは

脳の比較的太い動脈や、首の動脈(頸動脈)の動脈硬化が進行し、血の塊を作って詰まらせたり、血の塊が剥がれて流れていき、脳の中の血管を詰まらせてしまうことによって生じる脳梗塞です。

発症時の症状は比較的軽い場合が多いですが、徐々に血管が詰まっていく脳梗塞なので、症状が進行しやすい(症状が重くなりやすい)ことが特徴です。

アテローム血栓性脳梗塞の原因は、動脈硬化を進行させる高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の生活習慣病と言われています。

 

重症な脳梗塞の後遺症と予後

重度な脳梗塞の後遺症

重度な脳梗塞になると、自分の力では立ち上がったり、歩いたり、起き上がりや寝返りをすることができなくなってしまうケースもあります。

その原因には手足の筋肉などに力が入りづらくなる運動麻痺という症状や、筋肉に力が入り過ぎてしまう筋緊張異常、関節が固まってしまう拘縮などがあります。また、感覚障害が重症だと手足に触れたものの感覚が全く分からなくなってしまう事もあります。

そして、見た目上では分かりにくい高次脳機能障害という症状が出現することもあります。

高次脳機能とは、言語、認知、記憶、学習、行為などと呼ばれる機能を指すと言われており、これらの機能が障害された状態を高次脳機能障害といいます[1]。少し分かりにくいかもしれませんが、具体的には人の話している内容が理解しにくくなったり、正しい言葉を発することができなくなったり、服の着方が分からなくなったり、状況の判断が難しくなったりするなどの症状があります。

【関連記事】脳梗塞の主な後遺症を理学療法士が解説

 

重症な脳梗塞の予後

重症な脳梗塞では回復予後も悪くなってしまうことが多くあります。特に意識障害(刺激をしても覚醒しない状態)や、認知症、夜間せん妄、高度な心疾患などの症状がある80%以上の方は生活上の動作に全面的な介助が必要になると言われています[2]。

歩行が自立する可能性については、入院時に完全な麻痺で足が動かない方で6%、重力に逆らって足を動かせない方で21%と言われております[2]。また、上肢が実用的に使える状態になるのは入院時に重症な方の11%と言われています[2]。

これらのことから考えると重症な脳梗塞の方の多くは歩くのに介助が必要になり、麻痺した手を実用的に使うのが困難になってしまうということになります。

 

重症な脳梗塞となった方のリハビリとは

重症な方のリハビリでは色々な道具を使って行うことが多いです。

例えば、足に力が入らなくて自力で立ち上がれない方や立位姿勢をキープできない方へは、装具を使ってリハビリを行うことがあります。

使用する装具は股関節まで覆う長下肢装具と呼ばれる物やすねまでの長さの短下肢装具など様々な種類があります。その方の症状に合わせてベストな装具を選びリハビリを行います。

また、電気刺激装置を使ったリハビリ方法もあります。これは上肢下肢のどちらにも使えるリハビリ方法です。脳梗塞の影響で麻痺した筋肉や神経に電気を流し筋肉を働かせます。この方法は様々な論文でも効果が実証されているリハビリ方法です。

【関連記事】手がほとんど動かせない方への最適なリハビリ方法とは?

 

 重症な脳梗塞となった方の生活とは

退院後の生活(介護保険サービスの活用)

重度な脳梗塞になった方は、病院を退院した後の生活において、何かしらの介助が必要になると思われますが、その方の症状や能力によっても必要な介助が異なります。生活でどんな介助が必要になるかについては主治医や担当のリハビリ専門職に相談されると良いと思います。また、一定の条件をクリアすれば介護保険などのサービスを使うことも出来ます。

【関連記事】脳梗塞になったら必ず知っておきたい介護保険の知識

 

家族の関わり方(家族の支援)

重度な脳梗塞になられ、ご本人様は今までのご自身と違い思ったようなことができず、もどかしい気持ちになられている方も多くいらっしゃいます。

その際はご家族様のご支援が心の支えになることも多いようです。しかし、必要な介助をご家族様がすべて行うのは限界があると思います。

介護保険などのサービスを使うこともできますし、脳卒中者の患者会や家族会といった抱えているお悩みなどを相談することができる機関もあります。必要に応じて活用していきましょう。

【関連記事】介護に疲れたと感じた時に知っておいてほしいこと

 

まとめ

今回は重症な脳梗塞の後遺症やリハビリ、生活についてご紹介しました。同じ脳梗塞でも障害される脳の領域やその範囲によっても出現する症状は異なるため、必要なリハビリやサポートも変わってきます。

ジョイリハNEXTではその方のお困りごとについて相談をお受けしております。ご相談されたい方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。

 

文責 ジョイリハNEXT 理学療法士 高橋勇希

 

引用

[1]細田多穂、理学療法評価学テキスト、南江堂、2013年

[2]道免和久、脳卒中 機能評価・予後予測マニュアル、医学書院、2017年

[3]聖マリアンナ医科大学 東横病院脳卒中センター:脳梗塞.http://www.toyoko-stroke.com/explain/infarction.html、(2020年6月12日引用)

[4]京都大学医学部付属病院 脳神経外科:脳梗塞.http://neurosur.kuhp.kyoto-u.ac.jp/patient/disease/dis26/、(2020年6月12日引用)

 

 

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